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8月23日(土) 本日帰国しました
お蔭様で、インドから無事帰国致しました。
今回は、インド北部ダラムサラの山麓に再建されたギュトゥー寺(ゲルク派最高格式の密教専修道場)で、ゲシェー・ケートゥプ・ノルサン師という大変博学な善知識から、ヤマーンタカの究竟次第に関するギュトゥー寺独特の流儀を学ぶことができました。とても有難いことです。
詳しくは、少し落ち着いてから、また御報告します。
ポタラ・カレッジ東京センターへは、明日から出ます。
明日(24日)午後6時45分からは、定例法要があるので、御都合よければ是非いらっしゃってください。
8月 6日(水) インドへ学修に行きます
本日より23日(土)まで、個人的な学修のためにインドへ行ってきます。
内容等は、帰国後に本サイトで御報告します(こちらです)。
ポタラ・カレッジ東京センターの定期講習で私が担当するコースのうち、22日(金)の「般若心経」は休講、23日(土)の「真言道次第」はクンチョック先生の担当となります。
休講や通信受講データ送付の遅れなど、いろいろ御迷惑・御不便をおかけすることになり、大変申し訳ありません。
旅行期間中、ブログの更新は難しいと思います。月末に、またお目にかかりましょう。
暑い日が続いていますから、皆様どうか御自愛なさってください。
7月31日(木) 初転法輪御縁日法要
本日は、チベット暦の6月4日 དྲུག་པ་ཚེས་བཞི་ 、お釈迦様が覚りを開いて最初に教えをお説きになった「初転法輪」の御縁日 ཆོས་འཁོར་དུས་ཆེན་ です。
ポタラ・カレッジ東京センターでは、7月31日(木)午後6時から、クンチョック・シタル先生を導師に、「初転法輪御縁日法要」を厳修します。
どなたでも自由に御参加いただけますので、是非いらっしゃってください。チベットのお赤飯(デースィ)も用意しております。
※ 『チベット仏教常用経軌集』をお持ちの方は、御持参ください。
7月28日(月) 夏季特別講座
東京も梅雨明けし、本格的な夏になりましたね。個人的な夏の学修の準備などがあって、ブログの更新をサボりがちになってしまいました。せっかく御覧くださっている皆様に、申し訳ないです。
さて、ポタラ・カレッジ東京センターの定期講習は、8月7日(木)から20日(水)まで、夏季休講となります。
その間に、次のとおり夏季特別講座を実施します。
会場は、いずれもポタラ・カレッジ東京センター。
どなたでも受講できます(お問合せ・お申込みは、TEL.03-3251-4090、info@potala.jp)。
1.「中論」第二十四品・第二十五品の解説
中観派の根本聖典であるナーガールジュナ(龍樹)『中論』のうち、第二十四品「聖諦の考察」の後半、及び第二十五品「涅槃の考察」について解説します。宗祖ツォンカパ大師による『根本中論大註・正理の海』に沿い、できるだけ平易に説明します。
日時:8月9日(土)午前11時から午後5時まで (1時間昼休み)
講師:クンチョック・シタル
※ 講師の共訳書『全訳 ツォンカパ 中論註 正理の海』(起心書房)を参考図書に用います(プリント配付)。
2.五蘊・十二処・十八界
様々な仏教教理やそれらに基づく実践理論に於て共通認識となっている五蘊・十二処・十八界の枠組みについて、簡潔に整理して解説します。特に今回は、色・受・想・行・識の五蘊に重点を置いて説明します。
日時:8月16 日(土)午前11時から午後5時まで (1時間昼休み)
講師:ガワン・ウースン
3.八斎戒
在家の修行者が一時的に出家者に近い戒律を守って生活する八斎戒について、分かりやすく説明します。
日時:8月17日(日)午前11時から午後5時まで (1時間昼休み)
講師:ガワン・ウースン
7月16日(水) 今週土曜は名古屋教室
7月19日(土)は、ポタラ・カレッジ名古屋教室を担当させていただきます。午後1時から「般若心経」、3時15分から「六加行法」です。
詳しくは、こちらを御覧ください。
それに伴い、当日の東京センター定期講習「真言道次第広論」は、クンチョック先生の担当で「ガクリム」第一品の解説になります。
7月15日(火) 出版記念パーティの御礼
7月12日(土)に開催された出版記念パーティは、30名以上の方々に御参加いただき、とても楽しいひとときになりました。
参加者の皆様、メッセージを寄せてくださった方々、お手伝いくださった方々、そして素晴らしいチベット音楽を披露してくださったゲニェンさんと中原さんに、心から御礼申し上げます。
これからも、皆で仏教の学修に精進し、その結果として良い本を出してゆきたいですね。
なお、このパーティの様子が、起心書房のサイトでも紹介されています(ここをクリックすると、別ウィンドウで開きます)。
6月25日(水) ダライ・ラマ誕生日法要、7月6日厳修
7月6日(日)は、ダライ・ラマ14世法王猊下79歳の御誕生日です。
ポタラ・カレッジでは、法王の御誕生日をお祝いして御長寿を祈願するため、当日の午後6時45分から8時15分頃まで、東京センターで法要を厳修します。
この法要では、クンチョック・シタル師を導師に、「観音菩薩のグルヨーガ」や「ダライ・ラマ法王の長寿祈願」などを全員で読誦します。
どなたでも御参加いただけますので、御都合がつけば是非いらっしゃってください(無料、予約不要)。
※ 『チベット密教瞑想入門』または「観音菩薩グルヨーガ」プリント、及び『チベット仏教常用経軌集』をお持ちの方は、御持参ください。
6月 4日(水) 出版記念パーティ
昨年秋から今年春にかけて相次いで出版されたポタラ・カレッジ関係のチベット仏教書
『チベット仏教 高僧法話集』 (ポタラ・カレッジ チベット仏教叢書)
『ツォンカパのチベット密教』 (齋藤保高/大蔵出版)
『全訳 中論註 正理の海』 (クンチョック・シタル、奥山裕/起心書房)
三冊の出版記念パーティを、7月12日(土)に開催することとなりました。
詳しくは、こちらのページを御覧ください。
皆様の御参加をお待ちしております。どうかよろしくお願いいたします!
5月29日(木) サカダワ
本日より、チベット暦4月「サカダワ」に入ります。
サカダワは、お釈迦様に有縁の月で、善行の功徳が何倍にもなるといいます。
特にその15日(今年の場合、新暦の6月13日)は、釈尊の降誕・成道・涅槃の御縁日とされています。
ポタラ・カレッジ東京センターでは、6月13日(金)午後6時30分より、クンチョック先生を導師に「サカダワ法要」を厳修します。
どなたでも、自由に御参加いただけます。功徳を積む善い機会ですから、是非いらっしゃってください。予約は不要です。
(当日の定期講習「チベットの般若心経」は、休講とさせていただきます。また、6月22日の定例法要は、お休み致します。)
5月15日(木) チャト・リンポチェ、ギュトゥー僧院長に
先月もポタラ・カレッジで「ヤマーンタカ十三尊大灌頂」などを授けてくださった大阿闍梨チャト・リンポチェ猊下が、ギュトゥー寺の副僧院長(ラマ・ウンゼー)から僧院長(ケンポ)に昇格し、このたび晋山されました。
ギュトゥー寺は、ギュメー寺と並び、ゲルク派最高格式の密教専修道場とされ、両寺の僧院長経験者の中からガンデン座主(ゲルク派管長)が補任されます。
心よりお祝い申し上げるとともに、現代チベット仏教界を背負って立つ高僧のお一人として仏法興隆と衆生済度の御活躍を長くお続けくださるよう、蔭ながらお祈り致します。
また、御多忙なお立場ではありますが、今後もポタラ・カレッジで密教伝授をなさってくださいますよう、至心に勧請したいと思います。
5月 6日(火) 「ツォンカパのチベット密教」の書評
拙著『ツォンカパのチベット密教』(大蔵出版)が、「チベット文化研究会報」2014年4月号の新刊案内(p.22)で紹介されています。
こちらを御覧ください(facebookのアルバムが、別ウィンドウで開きます。画像をクリックすると、拡大表示されます。アカウント登録していなくても、御覧になれます)。
チベット文化研究会様と、書評執筆者の吉村均先生に、心より御礼申し上げます。
5月 1日(木) 六座グルヨーガの行法解説
前の記事にあるとおり、4月29日に「六座グルヨーガ行法解説」を担当させていただきました。大阿闍梨チャト・リンポチェ師から「ヤマーンタカ十三尊大灌頂」を受法された方を中心に、多くの受講者が熱心に聴いてくださり、とてもよかったと思います。本当に有難うございます。
「六座グルヨーガ」の修行は、とにかく毎日毎日、ずっと続けることが大切です。最初のうちは、完璧に瞑想するのは難しいですから、少しづつ儀軌に慣れることを目指しましょう。厳しく考えすぎて些細な点にこだわると、毎日続けるのが難しくなってしまいかねません。
もし、実修上の疑問や困難が生じたら、いつでも相談に乗りますから、遠慮なくお声をかけてください。
なお、この行法解説は通信受講の対応も可能ですから(無上瑜伽タントラの灌頂を受けている方に限ります)、もし御希望の場合は、今からでも遠慮なくお問い合わせください。
「六座グルヨーガ」と「三昧耶戒」については、本サイトの「無上瑜伽タントラ灌頂受者専用ページ」にも詳しい解説がありますから、よろしければ御活用なさってください。入口はこちらです。
また、拙著『チベット密教 修行の設計図』(春秋社)の第八章(pp.86-101)にも、「六座グルヨーガ」の結構踏み込んだ説明があります。
この本は、一応初心者向けという設定になっているけれど、文字どおり初心者の段階で第八章を読んだ場合、「無上瑜伽タントラの大灌頂を受けたら、こんな感じの修行をするのか・・」ということが漠然と分かるぐらいだと思います。でも、実際に灌頂を受けて「六座グルヨーガ」の実修を始めた方が読めば、色々なことが見えてくるはずです。
4月23日(水) GW集中講座
ポタラ・カレッジ東京センター、今年の連休集中講座は、次のとおりです。
1.六座グルヨーガ行法解説 4月29日(火・祝) 午前11時~午後5時 担当:斎藤保高
「ヤマーンタカ十三尊大灌頂」受者の方を主な対象とし、誓約事項となっている「六座グルヨーガ」の行法を、初めての方にも分かりやすいよう平易に解説します。「六座グルヨーガ」は、無上瑜伽タントラの灌頂を受けてから最初の課題となる「三昧耶と律儀の保持」の、具体的な実践と位置づけられます。通信受講の対応も可能です。受講資格は、無上瑜伽タントラの灌頂を受法している方となります。
2.「中論」第一品・第三品・第四品の解説 5月3日(土・祝)・4日(日・祝) 午前11時~午後5時 担当:クンチョック・シタル
中観派の根本聖典であるナーガールジュナ(龍樹)の『中論』のうち、法無我を要約して説く第一品「縁の考察」と、それを受けて十二処に於ける法我の否定を説く第三品「根の考察」、五蘊に於ける法我の否定を説く第四品「蘊の考察」を、ツォンカパ大師による註釈『正理の海』に沿って、できるだけ平易に解説します。
※ 講師の共訳書『全訳 ツォンカパ 中論註 正理の海』(起心書房)を参考図書に用います(プリント配付予定)。
3.止観の実修 5月5日(月・祝)・6日(火・休) 午前11時~午後5時 担当:ガワン・ウースン
心を対象に一点集中する止の瞑想と、真理を観察する観の瞑想について、実地の修行を交えながら、その理論を分かりやすく説明します。観の主なテーマとなる空性についても考察します。こうした顕密共通の止観についての知識は、密教の成就法を本格的に修行するためにも不可欠です。
お問合せ・お申込みは、TEL/FAX.03-3251-4090、info@potala.jpで承わります。
4月20日(日) 大灌頂法儀の復習
「ヤマーンタカ十三尊大灌頂」を受法された皆様、お疲れ様でした!
受者の方々の御協力のお蔭で、無事に成満することができました。本当に、有難うございます!!
今回は、初めて無上瑜伽タントラの大灌頂を受ける方も多かったのですが、「ラムリム」など顕密共通の道を皆さん良く学修されていたので、チャト・リンポチェも大変お喜びになっていましたね。。「形式よりも中身重視」というポタラ・カレッジの特色が発揮された、とても質の高い密教伝授だったと思います。
二日間にわたる灌頂法儀の意味内容を復習したい方は、拙著『ツォンカパのチベット密教』第Ⅱ章5節に簡単な説明がありますから、御覧になってください。初日の準備行はp.84、2日めの正行はpp.86-90です。該当箇所の註も併せて参照された方がよいと思います。
4月18日(金) 「宝性論」の引用
昨日の「前行御法話」を聴聞された皆様、お疲れ様でした!
御法話の中でチャト・リンポチェが引用なさっていた『究竟一乗宝性論』第二品のお言葉は、一切有情悉有仏性の根拠を説く有名な偈頌です。
仏陀のお体が放たれて〔遍満して〕いるゆえ、真如と無差別のゆえ、〔仏陀の〕種姓があるゆえ、全ての有情にいつも仏陀の心髄が具わっている。
『チベットの般若心経』の第四章p.203に、簡単な解説があります。
さて、今夜から「ヤマーンタカ十三尊大灌頂」です。
前行法話でリンポチェは、「無上瑜伽タントラの灌頂は、そう簡単に授けられるものではないが、ポタラ・カレッジできちんと学修している皆さんは受者としてふさわしいから、お願いを快諾した」とおっしゃっていました。そのお言葉の重みを自覚し、正しい動機を堅持して、ともに精進しましょう!
4月17日(木) 金剛バイラヴァ十三尊の図像資料
18日と19日に厳修される「ヤマーンタカ十三尊大灌頂」に関連する図像資料を集めたアルバムを、facebook上に作ってみました(facebookのアカウントがなくても御覧になれます)。
入口は、密教伝授のページの下の方にあります。
今回の大灌頂の受者を主な対象とする定期講習「ヤマーンタカ十三尊成就法」の進捗に合わせ、このアルバムに資料を追加してゆきたいと思います。
4月16日(水) チャト・リンポチェ、東京御到着
高野山でダライ・ラマ法王の御助法という大役を終えられた大阿闍梨チャト・リンポチェ師とゲシェー・タシー師を、本日午後、東京駅でお迎え致しました。
明日から三日間、前行御法話とヤマーンタカ十三尊大灌頂ですね。
大灌頂を受法するにあたって最も大切なのは、至極当たり前のことですが、三宝への帰依、そして菩提心です。
こうした点については、以前のブログでも再三書いているし、先月の「灌頂事前講習」でも詳しく説明しましたが、重要なことですから昔の記事を再掲しておきましょう。これは、私自身の自戒のためでもあります。
密教の灌頂や伝授では、「ラマと本尊は一心同体であり、それに仏法僧の三宝が集約されている」と信解し、真心から帰依することが大切です。
そして、「一切衆生のため、自分自身が仏陀の覚りを得よう」という菩提心を動機にして、灌頂や伝授を受けることが肝要です。
一番大事な要点は、実にこれだけです。
密教を修行するには、仏教一般の巾広い知識や、特に中観の正しい理解が必要です。また、密教自体についても、学ぶべきことはたくさんあります。瞑想を実践するためには、精神集中力も欠かせません。
けれどもこれらは、灌頂を受けてから、いくらでも学修できます。特に精神集中力や瞑想技法などは、成就法の実践を通じて修練することが可能です。
帰依と菩提心もまた、灌頂を受けてから、さらにレベルアップしてゆく必要があります。
しかし、この両者が精神集中力などと決定的に異なるのは、「もし帰依と菩提心が全然なければ、その人にとって、灌頂自体が全く成立しない」という点です。たとえ伝授会場に座っていても、物理的に身体がその場に存在しただけにすぎず、本当の意味で灌頂を受けたことにはなりません。
ですから密教伝授に際して、とにかく帰依と菩提心だけは、何よりも重要視しなければいけないのです。
菩提心といっても、正真正銘の非作為的な菩提心を発するのは、そう簡単でありません。
そこまでは無理でも、まず菩提心についてよく学び、「自分も菩提心を発したい」という真摯な願望を抱き、そのうえでよく瞑想することが大切です。
例えば、「因果の七秘訣」などの瞑想を重ねることにより、作為的な菩提心を確立できるようになります。
灌頂の法儀では、ラマが菩提心のお話をなさるはずです。その内容を聴聞しながら、作為的な菩提心を確立できれば、それを動機にして灌頂を受けられるわけです。
だから、灌頂を受けた後も菩提心のレベルアップに精進し、非作為的な菩提心を目指さなければいけません。これができたら、そのとき本当に密教の菩薩となるのです。
4月14日(月) 伝授会場の準備
昨日は、ポタラ・カレッジ東京センターで、伝授会場の準備を行ないました。お手伝いくださった会員ボランティアの皆様、ありがとうございます!
そして夜には、会員のDJ TOZAWAさんが、音響システムの準備をしてくれました。彼のお蔭で、最近のポタラの伝授会場は、ラマや通訳の声が格段に聞き取りやすくなっていると思います。
いよいよ今週木曜の夜から3日間、大阿闍梨チャト・リンポチェ師の御法話とヤマーンタカ十三尊大灌頂です。とても楽しみです!
チャト・リンポチェは、現在高野山に滞在なさっており、本日厳修されたダライ・ラマ法王猊下による大日現等覚(胎蔵法)大灌頂の助法をお務めになったはずです。
4月 5日(土) 定期講習案内書発送
ポタラ・カレッジ春からの定期講習(東京・名古屋・大阪)の案内書・申込書を、会員の皆様等へ昨日お送りしました。来週前半までには届くと思います。
封入・発送作業をなさってくださったボランティアの方々に感謝です!
会員以外の方へも、御請求があればお送り致しますので、遠慮なくおっしゃってください。
この案内書とほぼ同じ内容が、ポタラ・カレッジ公式サイトにもアップされています(こちらをクリックすると、別ウィンドウで開きます)。
4月 3日(木) 降三世大儀軌王
2月25日の記事で紹介した『全訳 ツォンカパ 中論註 正理の海』(クンチョック・シタル、奥山裕共訳、起心書房)、既に書店での取り扱いも始まりましたね。
改めて強調したいですが、この書物には、「中論」の解説書として今までに類をみない論理的明快さがあります。中観哲学を本格的に学ぶテキストとして、まさに決定版といえるでしょう。
さて、起心書房からは、これと同時に『全訳 降三世大儀軌王/ムディタコーシャ註釈』という密教の学術書も刊行されています。この分野の第一人者である北村太道先生とタントラ仏教研究会の訳によるもので、極めて貴重な研究成果です。
この経典は、チベットの伝統教学では、『真実摂経(金剛頂経初会)』降三世品の釈タントラと位置づけられています。また、中国・日本密教の文脈から見ると、不空の「十八会指帰」に於ける第四会に相当すると考えられています。ただ実際には、漢訳の経典が現存しないため、チベット訳の根本タントラと続タントラの全篇(Toh.482)、及びムディタコーシャによる註釈(Toh.2509)の和訳が今回出版されたのは、非常に意義深いことです。
北村先生とタントラ仏教研究会によるこうした分野の御研究は、瑜伽タントラと無上瑜伽タントラの繋がり、さらには日本密教とチベット密教の内容的な関係性に光を当てるもので、まことに重要な意味があると思います。
(関連する論考が、2011年11月2日のブログ記事にあります。こちらです。)
4月 1日(火) ガクリムのコースは第十四品から
早くも4月ですね。
ポタラ・カレッジ東京センターの定期講習、去年秋からの学期は、昨日までで無事終了しました。御参加くださった受講者の皆様に、心より随喜して感謝したいと思います。
4月からの定期講習(東京・名古屋・大阪)の詳しい御案内がポタラ・カレッジ公式サイトにも掲載されたので、御覧になってください。こちらです。
私の担当する「真言道次第広論(ガクリム・チェンモ)のコースは、ちょうど3月末で第十三品が終わったので、新学期は第十四品からとなります。主な内容は、究竟次第実修のための基体解説(チャクラ、脉管、風、滴、心)、風の瑜伽、チャンダリー(火)の瑜伽などです。
第十四品の詳しい科文が、こちらのページの下の方にありますので、御参照ください。
3月22日(土) チャンパ・リンポチェ御縁日
昨日は、お蔭様で、ヤマーンタカ事前講習を無事に務めさせていただくことができました。
熱心に聴いてくださった参加者の皆様に、随喜とともに感謝したいと思います。
今回初めて無上瑜伽タントラの大灌頂を受法される有縁の方々が相当数いらっしゃるのは、とても喜ばしいことです。まず大灌頂を受け、「六座グルヨーガ」を通じて三昧耶と律義を保持することから、無上瑜伽タントラの本格的な修行の道が開けます。
さて、3月22日は、大阿闍梨チャンパ・リンポチェ師御示寂から三年めの御縁日です。
恩深き根本ラマの遺徳の数々を憶念し、まことに身の引き締まる思いであります。
これからも、リンポチェの教えを大切に守り、未熟ながらも精進を重ねてゆきたいと思います。
3月13日(木) ヤマーンタカ事前講習
2月7日の記事でお知らせしたとおり、大阿闍梨チャト・リンポチェ師による「ヤマーンタカ十三尊の大灌頂」を、4月中旬に予定しています。
そのための事前講習「灌頂受法の心構えとヤマーンタカの概要」を、3月21日(金・祝)に東京センターで実施します。時間は、午前11時から午後5時まで。今回は、私が担当させていただきます。
ヤマーンタカ(金剛バイラヴァ)は、ゲルク派密教三大本尊の一つに数えられ、宗祖ツォンカパ大師と宗門の守護尊として崇拝されています。4月に授けていただく「ヤマーンタカ十三尊の大灌頂」は、密教の最奥義である無上瑜伽タントラの道へ入るための、本格的な入門の灌頂として最適のものです。
事前講習では、こうした灌頂を受法するための正しい心構えを確立し、最低限必要な基礎知識を整理します。特に、ヤマーン タカに関しては、ゲルク派密教の枠組み全体を視野に入れつつ、その概要を平易に解説したいと思います。
灌頂の受法を希望する方はもちろん、「これから考えよう」という方 にもお奨めの内容です。
なお、灌頂受法後の三昧耶(誓約事項)となる「六座グルヨーガ」については、4月29日(火・祝)に行法解説の特別講習を実施します。こちらも、私が担当させていただく予定です。どうかよろしくお願い致します。
お問合せ・お申込は、TEL.03-3251-4090、info@potala.jpまで。
3月 6日(木) 春からの定期講習
東京・名古屋・大阪で実施しているポタラ・カレッジの定期講習、この春からの内容の紹介ページを作りました。
こちらを御覧ください。
東京センターは、4月21日(月)からのスタートです。
今回の新規開講の目玉は、ガワン先生の「チベット語入門」とクンチョック先生の「四百論」。
その他では、クンチョック先生の「普賢行願賛の講読」や「曼荼羅供養」など。
私の担当では、「ヤマーンタカ十三尊の成就法」が新規開講となります。
それ以外は、現行の内容の継続です。
通信受講専用コースでは、クンチョック先生の「金剛般若経」とガワン先生の「解脱の荘厳」、両方とも新規開講です。
名古屋教室は、4月が休講で、5月からスタート。
クンチョック先生の「文殊菩薩の成就法」、及び私の「六加行法」が新規開講です。
大阪教室は、4月以降も、現行内容の継続となります。
3月 4日(火) 祈願大祭
チベット暦の1月15日(今年の場合、新暦の3月16日)は、お釈迦様が神変によって諸魔を降伏した御縁日です。宗祖ツォンカパ大師の以来の伝統として、聖都ラサのチョカン寺では、この日を中心に祈願大祭(ムンラム・チェンモ)が盛大に挙行されます。亡命チベット人社会では、ダラムサラの中央寺院などで厳修しています。
ポタラ・カレッジ東京センターでも、3月16日(日)午後6時45分から8時15分頃まで、クンチョック・シタル師を導師に「祈願大集法要」を実施します。どなたでも、自由に御参加いただけます(予約不要)。教主お釈迦様の偉業を偲んで随喜し、諸願成就を祈る善い機会です。是非、お気軽にいらっしゃってください。
お問合せは、TEL.03-3251-4090、info@potala.jpまで。
3月 2日(日) ロサル
ついこのあいだお正月だったような気がするのに、もう3月ですね(笑)。
そして今日は、チベット暦2141年のお正月「ロサル」。新しい年が、チベットの人々にとって、少しでも善い年となりますように!
2月25日(火) ツォンカパ大師の中論註和訳
宗祖ツォンカパ大師による『中論大註・正理の海』rtsa shes tik chen rigs pa'i rgya mtsho全篇の和訳が、起心書房から来月出版されます。ポタラ・カレッジ会員の奥山裕さんが、クンチョック先生の指導を受け、長年にわたり丹念に研究と翻訳を進めてきた貴重な成果です。
内容が中観哲学の高度な論議ですから、「誰でも簡単に理解できる」などと言うことはできませんけれど、「中論」の解説書としては、今までに類をみないほどの分かりやすさを実現できていると思います。それは、「知らない言葉が出て来ない」というような低いレベルでの分かりやすさではありませんが、きちんと筋道を追って読んでゆけば、「中論」をツォンカパ大師がどう解釈なさっているか明確に見えてきます。
「中論」に関する伝統教学の諸註釈や近代仏教学の研究成果も参照し、詳細な訳註が付されているから、研究者にとっても必携の一冊になると思います。
巻末には、ツォンカパ大師の『縁起賛』の全訳も収録されています。こちらは、ポタラ・カレッジ会員の西村香さんによる翻訳です。
詳しくは、起心書房のサイトを御覧ください。
http://kishin-syobo.com/
2月15日(土) 名古屋教室、予定どおり実施します
本日のポタラ・カレッジ定期講習につきまして、東京センターは、「量評釈第二品」のみ実施します(他の3科目は休講です。これは、クンチョック先生が短期間インドへ行っていること等によるもので、受講者の方々へは前もってお知らせしてあります)。
名古屋教室は、予定どおり実施したいと思います。
2月13日(木) 瞑想教室「入菩薩行論」冒頭から
ポタラ・カレッジ東京センターの定期講習「瞑想教室」(毎週日曜午後3時15分〜4時45分、随時参加方式、ガワン・ウースン師担当)では、インドの聖者シャーンティデーヴァの『入菩薩行論』をテーマに瞑想を実修しています。
2月16日(日)からは、第一品「菩提心の利益」に戻り、再び順に進めてゆく予定です。『入菩薩行論』を冒頭から学んで、瞑想を実践したい方には、ちょうどよいチャンスです!
『入菩薩行論』は、大乗仏教思想に基づいて菩提心と六波羅蜜を説くもので、ダライ・ラマ法王が最も重視されている聖典です。
2月10日(月) 土曜・日曜の録音データ
8日(土)と9日(日)は、ビル改修工事のための教室変更と大雪が重なり、受講者の皆様には色々と御不便をおかけしてしまったと思います。
通信受講併用コースとなっている「ツォンカパ大師の極楽浄土祈願」、「真言道次第広論」、「量評釈第二品」、「ヤマーンタカ一尊究竟次第」につきましては、録音データの提供が可能です。出席できなかった方は、遠慮なくおっしゃってください。
2月 7日(金) チャト・リンポチェのヤマーンタカ大灌頂
大阿闍梨チャト・リンポチェ師(ギュトゥー寺副僧院長、ナムギェル寺前僧院長)による「ヤマーンタカ十三尊大灌頂」を、4月中旬にポタラ・カレッジ東京センターで実施します。
暫定日程は、次のとおりです。
4月17日(木)午後6時~9時 顕密共通の道の前行法話
18日(金)午後6時~9時30分 ヤマーンタカ十三尊大灌頂準備行
19日(土)午後2時~7時 ヤマーンタカ十三尊大灌頂正行
(大灌頂を受けるためには、18日と19日の両日とも参加する必要があります。17日の前行法話は、できるだけ参加したほうが望ましいですけれど、必須ではありません。また前行法話は、大灌頂を受けない方も、御参加いただけます。なお今回は、リンポチェの東京御滞在期間が非常に短いため、この3日間以外に法話・伝授はありません。)
「ヤマーンタカ十三尊」は、ゲルク派密教の三大本尊の中で、基本的な行法とされています。初めて無上瑜伽タントラの大灌頂を受ける場合、一般的には、これが最も適しているといえます。
今回の大灌頂の受法資格は、「ラムリム」など顕密共通の道を学修していること。受法後の三昧耶(誓約事項)は、「六座グルヨーガ」を毎日修行することになる見込みです。
ポタラ・カレッジで「ヤマーンタカ十三尊大灌頂」を厳修するのは、2010年4月の大阿闍梨チャンパ・リンポチェ師以来、4年ぶりのことです。大変貴重な機会ですから、大乗仏教の正しい動機で受法を御希望の方は、是非とも予定しておいてください。
正式な案内書・申込書は、多分3月の中頃、ポタラ・カレッジ会員の皆様へ配付・郵送します。
大阿闍梨チャト・リンポチェ師は、ダライ・ラマ法王直属のナムギェル寺の僧院長をお務めになった後、現在はゲルク派密教最高格式の専修道場ギュトゥー寺の副僧院長(ラマ・ウンゼー)という要職にあり、非常に御多忙なお立場でいらっしゃいます。四部タントラの教相・事相に精通した金剛阿闍梨として法王からの信頼も篤く、これからのチベット仏教界を背負って立つ高僧のお一人です。
リンポチェは、これまで4回に渡り、ポタラ・カレッジ東京センターで密教の伝授をなさっています。最近では、2012年10月に「ヤマーンタカ一尊大灌頂」などを厳修されているので、記憶に新しい方も多いと思います(上の写真は、2012年の前行法話の御様子)。
2月 5日(水) 今週末の定期講習会場変更
今度の土曜・日曜の2日間、ビル改修工事のため、ポタラ・カレッジ東京センターの教室が使用できなくなります。定期講習は、次の代替会場で実施します。
2月8日(土): 須田町ハウス地下レンタルスペース
中央通りから、肉の万世と神田川の間の道に入り、山手線ガードの手前左側にあります。ポタラ・カレッジから徒歩5分ほど。
2月9日(日): 須田町北部会館2階
靖国通りから、りそな銀行横の道を入り、すぐの五差路に面しています。ポタラ・カレッジから徒歩3分ほど。
https://mapsengine.google.com/map/edit?mid=zX5TVZPOMV7A.k-ztzmMtfGfQ
詳しくは、上のURLの地図を参照してください。
御不便をおかけしますが、よろしくお願い致します。
お問合せは、TEL.03-3251-4090、info@potala.jpまで。
2月 4日(火) 2月11日は特別講習「ドゥータ入門」
一月もあっと言う間に過ぎ、早くも立春ですね。
さて来週ですが、2月11日(火・祝)にポタラ・カレッジ東京センターで、「ドゥータ入門」の特別講習があります。時間は午前11時~午後5時、ドゥータの指導に経験豊富なガワン・ウースン先生の担当です。
ドゥータとは、僧院教育に於ける一番最初の入門課程で、仏教論理学の基礎となる存在論を学ぶものです。今回のテーマは、「ドクパ・グーズィン」。日本語に直訳しづらいのですが、意味的には「概念の把握」といえるでしょう。
例えば「瓶のドクパ」というのは、様々な概念から「瓶でないもの」を完全に排除したときに残る「巾」のようなものです。この巾に合致する実物は、瓶そのものしかありません。
瓶の実物は、もちろん有為法であり無常ですが、瓶のドクパは、単なる概念なので、無為法で常ということになります。
このあたりの論議は、ドゥータの中でも一番ドゥータらしいテーマです。仏教論理学独特の発想に慣れていないと分かりづらいですが、それだけに面白いところでもあります。
お問合せ・お申込みは、TEL.03-3251-4090、info@potala.jpまで。
1月26日(日) チャクラサンヴァラ究竟次第
私が担当させていただいている定期講習「真言道次第広論」は、現在第十三品の後半を解説しているところですが、昨日の講義から「チャクラサンヴァラ」の究竟次第へ入りました。
自分の不得手な「カーラチャクラ」の科範を終え、長いトンネルから出たような気分です(笑)。
「チャクラサンヴァラ」の究竟次第については、ツォンカパ大師の『チャクラサンヴァラ五次第解説・隠義開眼』という素晴らしいテキストがあり、それも参照してまとめた拙著『ツォンカパのチベット密教』第Ⅱ章8節pp.146-150なども併用しながら、なるべく分かりやすい説明を心がけたいと思います。
1月22日(水) チベット暦カレンダー
チベット医学暦法研究所(メンツィーカン)のチベット暦カレンダーと暦本が、ポタラ・カレッジに入荷しました。今年のカレンダーは、サムイェー寺のグル・リンポチェ像です。
主な御縁日などは、次のとおり。ロサル(チベット暦元旦)は新暦3月2日(日)、祈願大祭(チベット暦1月15日)は新暦3月16日(日)、サカダワ(チベット暦4月15日)は新暦6月15日(日)、初転法輪(チベット暦6月4日)は新暦7月31日(木)、ラパプ・トゥーチェン(チベット暦9月22日)は新暦11月13日(木)、ガンデン・ガチュー(チベット暦10月25日)は新暦12月16日(火)となっています。
1月14日(火) 新春特別講習のお礼
昨日担当させていただいたポタラ・カレッジ新春特別講習「五大本尊九流儀の概要」、熱心な受講者の方々が大勢参加してくださり、本当に有難いことです。心より篤く御礼申し上げます。
私の説明が拙く、まとまりがなかったり、分かりにくい点も多かったのではないでしょうか。でも、今回のテーマ自体は、成就法を本格的に修行しようという方にとって、非常に興味深い内容だと思います。これを一つの契機にして、今後様々な機会に学んでいただければ、きっと実修の役にたつこともあるはずです。
私自身も、今回紹介した宗祖御師弟による諸流儀の成就法の和訳に、少しづつ取り組んでゆければと思っています。
1月 7日(火) 「ツォンカパのチベット密教」正誤表
拙著『ツォンカパのチベット密教』の誤りを訂正するページを作りました。こちらです。本の紹介ページからも入れます。
不完全な人間の仕事ですから、ある程度のミスは避けられませんけれど、願わくはこのページが賑わうことのありませんように(笑)。
2014年1月1日(水) 謹賀新年
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い致します。
新しい年が、皆様にとって、善き一年となりますように!
ポタラ・カレッジの活動は、2011年の秋から、会長のゲシェー・ソナム・ギャルツェン師が三年間の大親近行に入ったため、副会長のクンチョック・シタル師を中心に行なっております。
これまで二年半近く無事に乗り切ってこられたのは、クンチョック先生やガワン先生の努力と、会員・受講者の皆様のお蔭です。年頭にあたり、改めて感謝を捧げたいと思います。
さて、12月30日の記事でも書きましたが、昨年は『ツォンカパのチベット密教』の仕上げに明け暮れ、何とか結果を出すことができました。毎年お正月に、「今年こそは懸案の“ガクリム”の本を仕上げ・・」などと言ってきましたが、今回それを繰り返さなくて済むのは、本当に嬉しいことです(笑)。
とはいっても、出版関係で新しい企画のお話を幾つかいただいておりますので、年明けからも翻訳・執筆に追われる状況に変わりはありません。その中身については、またブログ等でおいおい紹介してゆければと思います。
取り組みたい課題は山ほどあり、そろそろ自分の年齢とか考えてしまうと、あまりノンビリ構えているわけにもいきません。もともと怠惰な性格ですから、何事も適当に遊びながらでないと進められませんけれど、頑張るときには一生懸命頑張るということで、今年も楽しくやってゆきたいと思います。
2013年12月30日(日) 新年法要と新春特別講習
今年も残すところあと二日。
この一年は、『ツォンカパのチベット密教』の仕上げに終始し、ブログの更新も滞りがちになってしまい、申し訳ありませんでした。
お蔭様で、何とか年内に刊行することができ、まずは一安心という状況でお正月を迎えられそうです。
さて、ポタラ・カレッジ東京センターの新年の行事ですが、例年どおり1月3日(金)の午後2時から5時まで、初詣の参拝が可能です。
その中で、3時から約一時間ほど、クンチョック・シタル師を導師に「新年法要」を厳修します。どなたでも御参加いただけますので、是非いらっしゃってください(『チベット仏教常用経軌集』をお持ちの方は、必ず御持参願います)。
定期講習は、1月6日(月)の「入中論」から再開です。
1月13日(月・祝)には、新春特別講習があります。時間は、午前11時~午後5時です。今年は私が担当させていただきます。テーマは「五大本尊九流儀の概要」。『ツォンカパのチベット密教』の巻末資料を分かりやすく解説するような内容になると思います(必要な資料は配付しますから、本はお持ちでなくても大丈夫です)。
具体的には、「グヒヤサマージャ」聖者流、同ジュニャーナパーダ流、「金剛バイラヴァ」十三尊、同一尊、「黒ヤマーリ」、「チャクラサンヴァラ」ルーイーパ流、同ガンターパ流身曼荼羅、「へーヴァジュラ」、「カーラチャクラ」という五大本尊(金剛ヴァイラヴァと黒ヤマーリは「ヤマーンタカ」系としてまとめます)九流儀について、宗祖ツォンカパ大師や直弟子ケートゥプ大師によってまとめられた成就法を比較検証し、それぞれの行法の特色を明らかにしたいと思います。
今回は一日だけの講習で、ごく概略の紹介しかできませんから、無上瑜伽タントラの灌頂受者以外の方でも御参加いただけます。
お問合せ・お申込みは、TEL.03-3251-4090、info@potala.jp。
今年も、「チベット仏教ゲルク派 宗学研究室」を御覧くださり、本当に有難うございました。
来年も、どうかよろしくお願い致します!!
12月27日(金) ガンデン・ガチュー
前の記事に書いたとおり、本日は宗祖ツォンカパ大師の御縁日「ガンデン・ガチュー」です。
ポタラ・カレッジの法要は日曜に済んでいますが、きょうは各自で灯明を点し、「ミクツェマ」などをお誦えすることができれば、とても素晴らしいと思います。
「ミクツェマ」は、ツォンカパ大師を観自在・文殊・金剛手の三本尊と一心同体に観じて祈願する礼賛偈で、とても素晴らしい加持力があります。
ミクメー・ツェワェー・テルチェン・チェンレー・スィク/
ティメー・キェンペー・ワンポ・ジャムペル・ヤン/
ドゥープン・マルー・ジョムゼー・サンワェー・ダク/
カンチェン・ケーペー・ツクギェン・ツォンカ・パ/
ロサン・タクペー・シャプラ・スルワ・デブ//
無所縁の慈悲の大蔵観自在、
汚れなき智慧の王なる文殊師利、
魔軍をば残らず降す秘密主(金剛手)と、
雪国(チベット)の智慧者に冠たるツォンカパ大師、
ロサン・タクパの御足に祈願し奉らん。
12月19日(木) 宗祖御縁日法要と年末特別講習
チベット暦の10月25日(今年の場合、新暦の12月27日)は、宗祖ツォンカパ大師が御入滅の理趣をお示しになった御縁日で、「ガンデン・ガチュー」といいます。
ポタラ・カレッジ東京センターでは、「ガンデン・ガチュー法要」を、12月22日(日)午後6時45分から厳修します。どなたでも御参加いただけますので、是非いらっしゃってください。
その翌日、12月23日(月・祝)には、年末特別講習として、「薬師如来の祈願と瞑想法」を実施します。時間は午前11時~午後5時、クンチョック・シタル師の担当です。
薬師如来の灌頂や許可灌頂を受けているほうが理想的ですが、本尊ヨーガではなく頭頂に観想するやり方ならば、未灌頂の方でも御参加いただけます。
お問合せ・お申込みは、TEL.03-3251-4090、info@potala.jpまで。
12月 8日(日) 「ツォンカパのチベット密教」の取扱い状況
新著『ツォンカパのチベット密教』、11月29日に無事刊行され、ポタラ・カレッジではその日から頒布を開始しました。
早速に御高覧くださった方々も多く、密教学の大家の先生や、仏教書のベテラン編集者の方からも、暖かい励ましのお言葉をいただきました。本当に有難いことです。
さて、ポタラ・カレッジ以外での本書の取り扱い状況ですが、先週から一般の書店でも販売開始されています。ただ、専門的な内容で部数が少ないため、店頭に並ぶのは、大型店か仏教書専門店に限られてしまいます。もちろん、店頭に見あたらなくても、全国の書店を通じてお取り寄せ可能です。
インターネット通販に関しては、紀伊國屋書店ウェブストアや丸善&ジュンク堂ネットストアなど書店系では、既に販売を始めています。
一方、アマゾン等の非書店系では、取り扱いが遅れているようです。出版社に問い合わせたところ、先週中にまとまった数量の注文が入っているとのことなので、近いうちに正常化すると思います。
いずれにせよ、出たばかりの新刊書ですから、現時点で実際に在庫がなくなるなどということは全くありません。どのチャンネルであれ、少しお待ちいただければお手許に届くはずなので、御安心ください。
あと、1冊だと送料がかかってしまいますが、大蔵出版へ直接御注文なさることも可能です。
12月 1日(日) 新しい本の、ちょっといい話
今年は新著『ツォンカパのチベット密教』の原稿チェック等に追われ、やっと本が出来たと思ったら、もう12月なんですね(笑)。
いよいよ今週からは、書店でもお求めいただけるようになります。
ポタラ・カレッジ東京センターでは、既に頒布を開始しているため、早速何名かの方々が御購入くださいました。本当に有難いことです。
さてこの本は、A5版で448ページと相当なボリュームなのですが、手に取ってみると意外に軽いです。その秘密は、用紙にあります。
きめ細かい上質紙なのに軽く感じられるという、何だかちょっと不思議なこの紙は、宮城県石巻市にある製紙工場の製品です。東日本大震災のとき、地震と津波で操業不能に陥ってしまい、相当な歳月の苦難を経て生産再開に漕ぎ着けたそうです。今では安定供給できるようになり、こうして図書の用紙としても使えるようになったわけです。
まさに震災復興の成果というべきこの用紙を、今回の本に使わせていただけたというのも、大変ありがたい御縁ではないかと思います。
11月29日(金) 「ツォンカパのチベット密教」完成
昨日、新著『ツォンカパのチベット密教』の見本が出来あがりました。とても良い感じに仕上がっています。
ポタラ・カレッジでは、本日から頒布開始の予定です。
来週には、書店でもお求めいただけるようになると思います。
どうか、よろしくお願いいたします!
新著紹介のページの下の方に、編集担当の上田さんと写した記念写真を貼っておきました。
この一年間、上田さんには御苦労ばかりかけてしまいましたが、お蔭でとても読みやすく洗練された仕上がりとなり、本当に感謝感激です。
二人で一生懸命頑張った成果が、読者の皆様のお役にたつことになるよう、心から祈りたいと思います。
11月27日(水) 「ガクリム」の科文掲載
昨日、宗祖ツォンカパ大師の密教の主著『真言道次第広論(ガクリム・チェンモ)』全篇の科文を掲載しました。
こちらを御覧ください。
これは、新著『ツォンカパのチベット密教』に、紙数の関係で収録できなかったものです。本の価格を税込みでも何とか1万円未満に抑えるため、カラー写真を諦めたり、ページ数をできるだけ節約したり・・・と、結構見えない苦労があるんですよ(笑)。
科文は、典籍の枠組みを知るために役だちますが、必ずしも叙述内容が分かりやすく明記されているとは限らないので、注意しなければいけません。例えば、第一品の「2-2-2-2-2-2-1.妙欲への執着を道とする在り方に異なる四者がある」というのは、所作・行・瑜伽・無上瑜伽という四部タントラの設定なのですが、科文を一見しただけでは分かりにくいですよね。
要するに科文は、叙述内容そのものを知るためというよりは、ツォンカパ大師がどのような計画で「ガクリム」を説き進めていったかという、その意図を汲み取るためのものと考えた方がよいでしょう。
そして、この科文によって設定された科範の区切りのよいところで、品(章)が分けられているのです。「ガクリム」全十四品それぞれの叙述内容は、第一品が総論(顕教と密教の区別、四部タントラの設定など)、第二品が所作タントラ、第三品が行タントラ、第四品が瑜伽タントラ、第五品から第十品までが無上瑜伽タントラの灌頂、第十一品が無上瑜伽タントラの二次第総論、第十二品が生起次第、第十三品と第十四品が究竟次第となっています。
従って、全十四品を大きくまとめるなら、A.総論と所作・行・瑜伽タントラを説いた第一品~第四品、B.無上瑜伽タントラの灌頂を説いた第五品~第十品、C.無上瑜伽タントラの生起・究竟二次第を説いた第十一品~第十四品という形で三分できると思います。
今回の『ツォンカパのチベット密教』は、それらの中でも、とりわけC.に重点を置いた本です。
11月23日(土・祝) 大蔵出版公式サイトに掲載
新著『ツォンカパのチベット密教』、正式な発行日は11月29日です。ポタラ・カレッジ東京センターでは、多分その日から頒布開始できると思います。書店に出回るのは、前に書いたとおり、12月の第1週になる予定です。
この本の情報が、大蔵出版の公式サイトにも掲載されました。次のURLをクリックすると、別ウィンドウで開きます。
http://daizoshuppan.azurewebsites.net/
そこで、この本の画像をクリックすると、目次のページになります。
目次の下の方にある「資料:五大本尊九流儀の行法次第」は、今まで言及する機会がなかったけれど、各々の成就法の流れや特色を把握するために、結構役だつのではないかと思います。本が出来あがったら、是非御覧になってください。
11月20日(水) 「修行の設計図」の韓国語訳
拙著『チベット密教 修行の設計図』の韓国語訳が、このほど出版されました。
『티베트불교 수행의 설계도』 사이토 타모츠고 지음、석혜능 옮김
하늘북 HANULBOOK PUBLISHING(ソウル)
ISBN 978-89-90883-70-4
もし、チベット仏教に御関心のある韓国人のお知り合いがいらっしゃったら、本書を御紹介いただけると有難いです。
11月15日(金) 明日は名古屋教室の新規開講
11月16日(土)は、ポタラ・カレッジ名古屋教室を担当させていただきます。
午後1時から「般若心経」、3時15分から「曼荼羅供養」。両方とも、今回新しく始まる内容です。
どうかよろしくお願い致します。
詳しくは、こちらを御覧ください。
11月12日(火) 最初の構想から出版まで
新著『ツォンカパのチベット密教』、お蔭様で本日責了の運びとなりました。
12月初旬には、お手に取って御覧いただけるはずです。
新著紹介のページで、出版に至るまでの経緯を、簡単に御紹介しました。こちらの下の方です。お暇なときにでも、御笑覧ください。
「構想十二年」などと言うと、その間ずっと翻訳・執筆に没頭してきたような印象を与えてしまいますが、実際にはそんな「凄い話」ではありません。あるときに集中して取り組み、途中に相当長いブランクがあるという繰り返しで、この本の仕事は進められてきました。
そのせいで、原稿の表現に統一性がないなど、様々な問題点も見受けられました。しかしそれらも、大蔵出版編集部の上田鉄也氏の並々ならぬ努力により、大方は解決できたはずです。責了にあたり、上田さんの御苦労をねぎらい、お礼を申し上げたいと思います。
11月 6日(水) 「ツォンカパのチベット密教」の表紙
新著『ツォンカパのチベット密教』のカバーデザインです。
いかにも密教行者好みの図柄で、格好いいでしょう!!
『修行の設計図』と同じ、大友洋さんというデザイナーの担当。すっきりしていて、センスいいですよね。
裏表紙のカバーも、凄くカッコイイです。そちらは、実物を見てのお楽しみ(笑)。
刊行は、予定より少し遅れ、12月初旬の見込みです。
専門的な内容で発行部数が少ないのと、ボリュームが450ページ近くあるため、お値段は9,000円+税ということで、かなり高価になってしまいます。
とても心苦しいですけれど、「一般的な概説書を三冊読むよりも価値のある本」を目指して一生懸命頑張っただけの手応えはあると思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
11月 2日(土) 「高僧法話集」の頒布
ポタラ・カレッジ公式サイトに『チベット仏教 高僧法話集』の頒布の御案内を掲載しました。こちらを御覧ください。
この15年間にポタラ・カレッジでお招きした偉大なラマたちの教えが収録されている珠玉の法話集、是非お読みになっていただきたいと思います。
この本をはじめ、「ポタラ・カレッジ チベット仏教叢書」は、一般の書店や通販にはありません。
ポタラ・カレッジ以外だと、カワチェンでも取り扱っています。
http://kawachen.shop-pro.jp/?mode=cate&cbid=1000884&csid=0
10月21日(月) 「ツォンカパのチベット密教」の初校
「新著紹介」ページの下の方に、初校ゲラの縮小画像を一枚だけアップしてみました。小さくてよく見えないかもしれませんが、写真入りのページだから、なんとなくイメージはつかめると思います。
これは『ツォンカパのチベット密教』p.122-3、第Ⅱ章7節、生起次第で所依・能依の曼荼羅を瞑想する過程の説明です。写真は、ギュトゥー寺の流儀による「グヒヤサマージャ」聖者流の所描曼荼羅と立体曼荼羅。この両者は、行者が観想すべき修習義の曼荼羅を、二次元と三次元で表現したものです(詳しくは、「曼荼羅とは何か」のページを参照)。
編集の上田さんが実に丁寧な原稿チェックを重ねてくださったお蔭で、初校時でほとんど修正不要なレベルに仕上がっています。
年内刊行へ向けて、ラストスパートを頑張りたいと思います。どうかよろしくお願いします!!
10月19日(土) ケンスル・リンポチェお見送り
今朝成田空港で、ケンスル・リンポチェ猊下とニマ・ツェリン師がデリーへ向けて御出発なさるのを、ガワン先生や会員の方々とともにお見送りしました。
午後は、ポタラ・カレッジ東京センターで、伝授会場の後片付け。御奉仕くださった皆様、有難うございます!
さていよいよ、秋からの定期講習が始まります。今回は「入中論」、「量評釈第二品」、「文殊菩薩の成就法」など、ケンスル・リンポチェの講伝や許可灌頂に関連するコースも開講されます。
10月17日(木) 「高僧法話集」の書評
10月5日の記事で御紹介したポタラ・カレッジ十五周年記念出版『チベット仏教 高僧法話集』(ポタラ叢書7)の書評が、起心書房のサイトに掲載されています(こちらをクリックすると、別ウィンドウで開きます)。
自社の本の編集で多忙な時期なのに、『高僧法話集』の話を詳しく紹介していただき、とても有難いことです。
来年2月刊行予定の起心書房の本には、中観思想を理解するうえで極めて重要な典籍の和訳も含まれており、とても楽しみです。
10月15日(火) 「入中論」講伝成満
ポタラ・カレッジ十五周年記念行事、『入中論』の講伝も無事に終わりました!
御参加くださった皆様、お疲れ様でした。このような素晴らしい伝授を実現できたのも、多くの方々が熱心に参加され、様々な形で御協力くださったお蔭です。本当に、ありがとうこございます。
今回の講伝を契機に、『入中論』の内容を第一品から詳しく学ぶため、東京センターの秋からの定期講習でも、10月21日より新コースを開講します(毎週月曜午後6時30分~8時、通信受講併用方式、ガワン・ウースン師担当)。詳しくは、こちらを。
10月13日(日) 今日から入中論の講伝
昨日の文殊菩薩許可灌頂、ポタラ・カレッジ十五周年記念法要、祝賀パーティ、お蔭様で無事に終了しました。
特設ページに、祝賀パーティの写真をアップしてあります。チベットの歌を披露してくださった日本人とチベット人の有志の皆様、ありがとうございました!
さて本日から二日間は、今回の行事の一番中心となる「入中論」の講伝です。
先週の「量評釈」同様、駆け足での伝授にならざるを得ないでしょうけれど、参加者の方々は、「その道の第一人者から直接教えを聴聞しているのだ」と強く自覚し、リンポチェのお言葉に耳を傾けて欲しいと思います。そして、個々の偈頌の語義よりも、教え全体の大きな流れを把握するように心がけてください。
それができれば、後でテキストを詳しく学ぶとき、今回の講伝の成果が目に見えて現われてくるはずです。
あと二日間、頑張りましょう!!
10月11日(金) 文殊許可灌頂と十五周年記念法要
ケンスル・リンポチェの伝授、前半のプログラムは、なんとか無事に終わりましたね。皆様のご協力に感謝です!
明日(12日)は、文殊菩薩の許可灌頂、ポタラ・カレッジ十五周年記念法要、祝賀パーティがあります。
特設ページに、今回の許可灌頂の本尊となるアラパチャナ文殊のツァカリ(灌頂のトルマに安置する小さい仏画)を貼り付けておきました。
文殊許可灌頂と記念法要は、相当な混雑が予想されます。窮屈な状態になってしまうと思いますので、座りやすい楽な服装でいらしてください。荷物は事務室でお預かりします。大きな荷物は、あらかじめ駅のコインロッカー等に入れて会場へ持ち込まないよう、御協力をよろしくお願い致します。
法要に参加される方は、「チベット仏教 常用経軌集」をお持ちでしたら、必ず御持参ください。会場備え付けの「経軌集」は、数に限りがありますので、どうかよろしくお願いします。
10月 7日(月) 量成就品第二の素晴らしさ
ケンスル・リンポチェ猊下による「量評釈」量成就品第二の講伝、お蔭様で無事に終わりました。参加された皆様、お疲れ様でした!
本当に駆け足でしたが、最後まで完全に伝授していただくことができ、とても善かったと思います。
それにしても量成就品第二は、教理や実践の裏づけとなる有名な偈が数多く散りばめられており、聴聞していて実に感動的です(長丁場で、相当疲れましたが・・)。
例えば、「།འཚེ་བ་མེད་དང་ཡང་དག་དོན། །རང་བཞིན་ལ་ནི་ཕྱིན་ལོག་གིས། །འབད་དུ་ཟིན་ཀྱང་མི་ཟློག་སྟེ། །བློ་ནི་དེ་ཕྱོགས་འཛིན་ཕྱིར་རོ། 害がなく真実の義〔ゆえ〕、〔心の〕本質に顛倒して努めたとしても、退転させることはできない。なぜなら、心はその〔空性了解の〕側を把握しているゆえに」という偈は、自比量品第一にも重複して説かれているのですが、煩悩などの断滅が不退転となる理論的根拠として重要です。
この偈は、「グヒヤサマージャ」ジュニャーナパーダ流の曼荼羅儀軌に引用されており、「ガクリム」第十二品でも言及されています。
間もなく出る新著『ツォンカパのチベット密教』では、ギェルツァプ・ジェの「解脱道作明」に基づき、この偈を詳しく解説しています(第3章の註173)。
10月 6日(日) 「量評釈」講伝
昨日より、ケンスル・リンポチェによる一連の伝授が始まりました。『量評釈』第二品講伝の初日のお写真を、特設ページの方にアップしたので、御覧になってください。
今回は、相当な分量を二日間でこなす駆け足での解説だから、十分な理解を得るのは難しいかもしれません。でも、この講伝を契機として、少しづつ学んでゆければよいと思います。第二品には名言が多いので、それらをチェックできただけでも、参加した甲斐は大いにあります。
10月 5日(土) 十五周年記念出版「高僧法話集」
ポタラ・カレッジ十五周年記念出版『チベット仏教 高僧法話集』(ポタラ叢書7)が出来あがりました。
本日より、東京センターで頒布を開始します。頒価は2,500円です。郵送による頒布は、10月21日(月)からになります。
この本は、これまでの15年間にポタラ・カレッジでお招きしたラマたちによる、比較的一般向けの御法話を集めたものです。一般向けといっても、完全に仏教の内容で、相当本格的な教えも含まれています。
収録されているのは、第百世ガンデン座主ロサン・ニマ猊下、現ガンデン座主リゾン・リンポチェ猊下をはじめ、今日のゲルク派を代表する偉大な高僧ばかりです。
ダライ・ラマ法王猊下は別にして、ゲルク派の高僧たちによる生の教えが日本語の書物として広く紹介されることは、今までほとんどなかったと思います。それだけに、この御法話集は、とても稀有で貴重なものといえるでしょう。
今回の出版は、西村香さんをはじめ、ポタラ・カレッジの会員・受講者の方々が主体的に進めてくださったものです。心から、随喜と感謝を捧げたいと思います。
10月 4日(金) 秋からの定期講習のページ
ポタラ・カレッジ秋からの定期講習のページを作りました。こちらです。
今回は、ケンスル・リンポチェ猊下の講伝や許可灌頂に合わせる形で、「入中論」、「量評釈第二品」、「文殊菩薩の成就法」などの新コースが始まります。
その他の新規開講としては、「前行道場 グルヨーガ」、「ツォンカパ大師の極楽浄土祈願」、及び私の担当「ヤマーンタカ一尊究竟次第の講読」があります。
東京センターの定期講習は、10月21日(月)から始まります。
名古屋教室では、いずれも私の担当で「般若心経」と「曼荼羅供養」が新規開講となります。
大阪教室は、全て現行クラスの継続です。
10月 2日(水) ケンスル・リンポチェ御来日
ケンスル・リンポチェ猊下と承仕ニマ・ツェリン師、デリーから成田空港へ、今朝無事に御到着されました。リンポチェは、お元気そうな御様子です。
10月 1日(火) 伝授会場の準備完了
昨日は、ポタラ・カレッジ東京センターで、十五周年記念行事の伝授会場準備を行ないました。御奉仕くださった会員・受講者の皆様、いつも本当にありがとうございます!
明日は、ケンスル・リンポチェがデリーから御到着なさるので、成田空港へお出迎えに行きます。いよいよですね!!
9月19日(木) 論理学と中観学の準備講習
またまたブログの更新をサボってしまい、すみません。9月になって、ポタラ・カレッジ十五周年記念行事、秋からの定期講習、自分の新著のことなどが重なり、ちょっと忙しい状態になっています。まあこれも、ギリギリにならないと手をつけない性分のせいで、自業自得ではありますが・・。ただ、そういう性格だからこそ、チベット関係の仕事をあまりストレスなく続けられるのかもしれません(笑)。
さて、十五周年記念行事の一環として、大本山デプン寺ロセルリン学堂のケンスル・リンポチェ猊下による「量評釈」第二品や「入中論」の講伝が10月前半に予定されていますが(こちらを参照)、その準備講習として、9月23日(月・祝)にポタラ・カレッジ東京センターで「仏教論理学と中観学の基本」を実施します。時間は午前11時~午後5時、クンチョック師の担当です。
これらの学問分野で当然のように用いられる専門用語について、重要なものをピックアップして説明する予定です。講伝の際に通訳を担当するクンチョック先生自身による準備講習なので、講伝の場に於ける理解の助けになると思います。
お問合せ・受講申込みは、TEL.03-3251-4090、info@potala.jpまで。
9月 2日(月) 秋の伝授と新コース
きびしい残暑が続いていますが、もう9月ですね。10月の行事と定期講習新コースの準備で、いろいろ忙しくなりそうです。
10月前半に予定されているポタラ・カレッジ設立十五周年記念行事は、6月27日の記事でお伝えしたとおり、大本山デプン寺ロセルリン学堂の前僧院長(ケンスル・リンポチェ)ゲシェー・ロサン・ギャツォ猊下をお迎えして行ないます。主な日程は、10月5日(土)と6日(日)の二日間が「量評釈第二品の講伝」、12日(土)が「文殊菩薩の許可灌頂」と「十五周年記念法要」、13日(日)と14日(月・祝)の二日間が「入中論の講伝」です。
10月下旬からの定期講習では、今回ケンスル・リンポチェから授かった教えを復習し、詳しく学んで理解を深めるため、「入中論」(月曜午後6時30分~8時;ガワン師)、「量評釈第二品」(土曜午後5時~6時30分;ガワン師)、「文殊菩薩の成就法」(通信受講専用;クンチョック師)などのコースを新規開講します。
高僧による伝統的な講伝や許可灌頂と、ポタラ・カレッジ講師による日本語での詳しい解説の両方を通じ、教えの中身を本当に自分のものとして体得してゆけるようになると思います。