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著書・訳書の紹介

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著書・訳書の紹介

このページでは、私の著書と訳書で出版されているものを紹介します。
新著『ツォンカパのチベット密教』については、こちらを御覧ください。

チベット密教 修行の設計図

齋藤保高 著 春秋社 2003年 本体2,200円 ISBN4-393-13511-3

修行の設計図

 チベット仏教ゲルク派では、一体どのような修行を行なうのか・・・という、その本当の中身を、実践者の立場から紹介した本です。それも、難しい仏教用語を使わず、初心者にも十分理解できるよう、工夫を重ねて作りあげました。
 入門の一冊として、是非読んでみてください。教理と実践の全体像が、手に取るように分かると思います。
 しかしこの本は、分かりやすいだけではありません。実は、かなり高度な実践の秘訣が、随所に織り込まれているのです。ただし、そういうハイレベルな中身を語るときに使う難しい表現は、敢えて避けています。だから、初心者の方が御覧になっても、何気なく読み飛ばし、難解に思うことはないでしょう。でも、学修を積んだ読者が御覧になれば、全然違う着眼点があるはずです。
 そのようなわけで、この本を初心者のときに手にされたら、少なくとも二度役にたつと思ってください。今すぐと、そして密教の本格的な実践に慣れたときです。

 この本は、四部構成になっています。第Ⅰ部は導入部分です。仏教を実践する本当の目的、日本仏教と比較したチベット仏教の特色、死と輪廻転生の仕組みといったテーマを、順に説明しています。これらは、その先の話の前提として、大切な要素です。
 第Ⅱ部以降は、一連の流れになっています。この本のユニークな特色は、修行のゴールとなる仏陀の覚りの境地から、段階を順番にさかのぼる形で、スタート地点まで概観する・・・という説明のやり方です。つまり、「ある結果を得るには、どのような原因や条件を揃えなければならないか」という問題意識に従って、実践の道筋を逆方向に探求してゆくのです。こうすることにより、それぞれの修行の段階の必要性や、上の段階との関連性などが、非常に明確に見えてきます。
 第Ⅱ部は、無上瑜伽タントラを中心とする「密教篇」です。第Ⅲ部は、空性理解や菩提心を中心とする「大乗仏教篇」です。そして第Ⅳ部は、四諦や帰依を中心とする「基礎仏教篇」となっています。初心者の方は、できれば一度この流れを通読なさり、大まかに全貌をつかんでください。そうすると、後は必要性に応じて、部分部分を事典のように使えます。例えば、密教の灌頂について知りたいときは、第Ⅱ部の第九章を見る・・・という具合です。
 本サイトのコンテンツも、この本を一読なさっておけば、より理解しやすくなると思います。
(カバー写真は、ラサの大本山デプン寺ロセルリン学堂です。自分の恩師たちが、五十年以上も昔に、この聖地で学問と修行に励んでいらっしゃった・・と思うと、実に感慨深いものがあります。)
※ しばらく品切れとなっておりましたが、お陰様で2012年3月に重版されました。

出版社サイト  amazonのページ

※ 本書の韓国語訳が出版されています。
티베트불교 수행의 설계도』 사이토 타모츠고 지음、석혜능 옮김
하늘북 HANULBOOK PUBLISHING(ソウル)
ISBN 978-89-90883-70-4

Book Daumのページ

 

チベットの般若心経

ゲシェー・ソナム・ギャルツェン・ゴンタ、クンチョック・シタル、齋藤保高 共著
春秋社 2002年
本体3,200円 ISBN4-393-13280-7

チベットの般若心経

 チベット仏教の顕教面での最重要経典は、「般若経」です。なぜかというと、釈尊の本当の密意、つまり究極の真理がそのまま説かれた教えだからです。釈尊の様々な説法は、初・中・後の三転法輪に分けられます。これは、表面的には説かれた時期による区分のように見えますが、本質的には内容を吟味した分類です。初転法輪では、四諦など仏教の基本構造が説示されています。中転法輪では、究極の真理である「空」がストレートに説示されています。後転法輪では、両者の橋渡しとなる様々な教えが説示されています。最も高度な中転法輪の中でも、核心となる最重要の教えが、「般若経」としてまとめられているのです。
 チベットの僧院教育の中心課題は、般若学と中観学です。前者は「般若経」の行間に隠された意味を考察し、後者は「般若経」の明らかな意味を考察します。僧侶たちが問答を通じて学んでいる内容は、突き詰めれば、「般若経」の裏と表の意味ということになります。

 かくも重要な「般若経」の中身を、極めて短く凝縮して説き示した経典が、本書のテーマである『般若心経』です。本書では、チベット語訳『般若心経』を伝統教学に則して解説し(第一章と第三章)、同時に「中観学」と「般若学」の内容を要約して紹介し(第二章と第四章)、さらに密教との関連にも言及しています(第五章)。つまりこの本一冊で、日本でも馴染みの深い『般若心経』を題材としながら、チベット仏教の教理体系の中枢部分をまとめて学ぶことができるのです。
 さらに巻末には、チベット文『般若心経』と片仮名読み、及び現代語和訳を、勤行次第の形式にまとめて収録し、読誦法の説明も付してあります。
 また、重要な仏教用語を五十音順の索引にピックアップし(対応するチベット語のローマ字表記を併記)、その用語の定義や意味が書いてあるページを指示しています。該当ページでは、その用語が太字で表記されているので、見つけるのも簡単です。このように、本書には、仏教用語の辞書的な活用法もあります。
 数多くの有益な情報が凝縮されている濃密な中身なので、一度に読破するのは少し難しいかもしれませんが、持っていれば後々まで必ず役にたつ本です。
(カバー写真は、南インドの大本山デプン寺ロセルリン学堂僧院長猊下よりポタラ・カレッジへ下賜された釈迦牟尼仏のタンカです。)

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※ 本書の中国語(中文繁体)訳が、台湾で出版されています。
西藏的般若心經』 索南格西、貢卻斯塔、齋藤保高著、凃玉盞譯、商周出版(台北)
ISBN 978-986-6369-65-0

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