ポタラ・カレッジ齋藤保高の個人サイトです。チベット仏教の伝統教学について、質の高い情報を提供します。

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8月29日(木) 復旧しました

ポタラ・カレッジ公式サイト、及びメールアドレス、復旧しました。
御不便・御迷惑をおかけしてしまい、大変申し訳ありませんでした。

8月28日(水) ポタラ・カレッジ公式サイト障害発生中

ポタラ・カレッジ公式サイトに、サーバー関連の障害が生じていると思われます。御不便をおかけして、まことに申し訳ありません。
現行の定期講習に関する情報は、とりあえずこちらを御覧ください。

8月20日(火) 金曜から定期講習再開

去年同様、今年の夏もインドへ行こうと思っていたのですが、それがお預けとなり、東京の猛暑を味わう羽目になってしまいました(笑)。新著『ツォンカパのチベット密教』の原稿再確認も延々と続いている状況なので、かえって良かったのかもしれませんが・・。
ただ、こう暑くては、日中は何事もひどく効率悪いですね。原稿チェックをやるにしても、出かけるにしても、日が暮れてからでないと話になりません。
そんなわけで、完全な昼夜逆転生活に陥ってしまいましたが、今週の金曜(23日)からは、ポタラ・カレッジ東京センターの定期講習が再開です。残暑が厳しいので無理は禁物だけれど、気持ちを新たに張り切ってゆきたいと思います。

8月 6日(火) ポタラ・カレッジ、8月の予定

8月に入ってもうすぐ一週間、明日は立秋。早いですね(笑)。
ポタラ・カレッジ東京センターの定期講習は、今週の金曜から8月22日(木)まで、夏季休講となります。その間に、7月17日の記事で紹介したとおり、夏季特別講座を実施します。
8月の名古屋教室は、17日(土)、クンチョック先生の担当です。大阪教室は、25日(日)、ガワン先生の担当となります。
まだ暑い日が続きそうですが、体調に気をつけながら、無理せずに精進したいものです。

7月22日(月) 「射庭一嘉 展」来週開催

射庭一嘉「森の中の家」

ポタラ・カレッジ会員の日本画家、射庭一嘉さんの個展が来週あります。

日時は、7月29日(月)~8月3日(土)、午前11時~午後6時(最終日は午後5時まで)。
会場は、画廊宮坂東京都中央区銀座7-12-5 銀星ビル4F、TEL.03-3546-0343)。

射庭さんは、仏教をテーマとした絵画を中心に創作活動を続けていて、今回も地蔵菩薩などの作品があるそうです。

ここをクリックすると、案内状を拡大して御覧になれます(facebookのアルバムが、別ウィンドウで開きます)。

7月17日(水) 夏季特別講座

ポタラ・カレッジ東京センターの定期講習は、8月9日(金)から22日(木)まで、夏季休講となります。
その間に、三つほど特別講座を実施します。

1.不動明王の成就法
 8月10日(土)午前11時~午後5時 クンチョック・シタル師
 不動明王は、日本でもチベットでも馴染み深い忿怒の仏です。とりわけ、チベット仏教中興の祖師アティーシャは、不動明王を有縁の忿怒明王として大 切にしていました。この特別講座では、アティーシャ大師の伝統であるカダム流の青不動成就法を、ツォンカパ大師による礼賛偈も交えて平易に解説します。
 まじめな信心のある方なら、どなたでも受講できます。但し、この成就法の内容を本尊瑜伽として実修するには、不動明王の許可灌頂を受けている必要があります。

2.チャンドラゴーミンの「律儀二十頌」
 8月11日(日)午前11時~午後5時 クンチョック・シタル師
 インドの聖者チャンドラゴーミンが二十の偈頌で菩薩戒を説いた『律儀二十頌』を教材に、大乗仏教の利他心と菩薩行について分かりやすく説明します。『律儀二十頌』は、菩薩戒の十八根本罪や支分の根拠となる聖典の一つです。密教の修行にも決して欠かせない菩薩戒について、理解を深める機会になると思います。

3.仏教論理学入門
 8月17日(土)・18日(日)午前11時~午後5時 ガワン・ウースン師
 チベット仏教の僧院教育で最初に学ぶ課程「ドゥータ」と「タクリク」について、概要を分かりやすく説明します。前者は諸存在の定義や分類や相互関係、後者は主張命題の設定方法などについて学ぶものです。こうした内容は、仏教哲学に関する僧院の教科書を読み解くにあたっても、大変役に立ちます。
 今回の特別講座は、10月に予定されているケンスル・リンポチェの「量評釈講伝」(6月27日の記事参照)の予習にもなります。

お問合せ、お申し込みは、TEL.03-3251-4090、またはinfo@potala.jpまで。

7月 8日(月) 『ツォンカパのチベット密教』各章の内容紹介

新著紹介のページを更新しました。
ツォンカパのチベット密教』第Ⅰ章・第Ⅱ章・第Ⅲ章の内容紹介を、序文用の原稿をもとにして、多少詳しく書いてみました。
こちらを御覧ください。

現在、本文と註の最終チェックが大体終わり、参考文献一覧や巻末資料のチェック、図版の選定等に入っているところです。
年内出版へ向けて、頑張りたいと思います!

7月 2日(火) ダライ・ラマ誕生日法要、12日に厳修

ダライ・ラマ十四世法王猊下は、7月6日に78歳の御誕生日を迎えられます。
ポタラ・カレッジでは、法王の御誕生日をお祝いして御長寿を祈願するため、7月12日(金)午後6時30分から8時頃まで、東京センターで法要を厳修します。
この日は、チベット暦の6月4日、お釈迦様の初転法輪の御縁日にあたります。それゆえ、当日の法要の中で、併せて釈尊の偉業に随喜と感謝を捧げたいと思います。
法要では、クンチョック・シタル師を導師に、「観音菩薩のグルヨーガ」や「ダライ・ラマ法王の長寿祈願」、及び「釈迦牟尼仏の礼賛偈」などを全員で読誦します。
どなたでも御参加いただけますので、御都合がつけば是非いらっしゃってください(無料、予約不要)。
※ 『チベット密教瞑想入門』または「観音菩薩グルヨーガ」プリント、及び『チベット仏教常用経軌集』をお持ちの方は、御持参ください。なお、当日の定期講習「チベットの般若心経」は、休講となります。

6月27日(木) ケンスル・リンポチェ、秋に来日

ケンスル・リンポチェ

「ザムリン・チサン法要」の会場で発表させていただいたとおり、ポタラ・カレッジの設立十五周年に合わせ、大本山デプン寺ロセルリン学堂の前僧院長(ケンスル・リンポチェ)ゲシェー・ロサン・ギャツォ猊下が秋に御来日されます。
10月前半にポタラ・カレッジ東京センターで、「設立十五周年記念法要」の大導師をお務めくださるほか、『入中論』や『量評釈』の講伝、文殊菩薩の許可灌頂などをお授けになる予定です。
ケンスル・リンポチェは、2003年と2009年にも来日され、『入中論』、『根本中論』、『倶舎論』などの講伝をなさっておられます。
当たり前のことですが、『入中論』のような大論書の教えは、簡単に学び尽くせるものではありません。しかし、その道の第一人者であるラマから伝統的な方法で講伝を受け、それをもとに様々な機会に学ぶ努力を重ねてゆけば、単なる知識としてではなく、解脱や覚りのために役立つ智慧の資糧として体得することができるはずです。
今回のプログラムは、そうしたことを念頭に企画したものです。詳しい予定が決まったら、このサイトに特設ページを作り、逐次情報提供したいと思います(こちらです)。御関心のある方は、今から是非予定しておいてください。

6月23日(日) 今日はザムリン・チサン法要

本日は、チベット暦の5月15日。「ザムリン・チサン」といい、この世界の護法善神にお香を供養する御縁日です。
チベットでは伝統的に、これを屋外の大自然の中で行なっていますが、今年は日曜にあたったため、定例法要(午後6時45分~8時15分頃)の時間に合わせてポタラ・カレッジ東京センター内で厳修します。導師は、クンチョック・シタル師です。
どなたでも御参加いただけますので、御都合のつく方は、是非いらっしゃってください(予約は必要ありません)。

6月10日(月) 新著紹介のページを作りました

長期間ブログの更新ができず、すみませんでした。

さて、大変遅くなってしまいましたが、新著を今年中に出せる見込みが、ようやく立ち ました。
ツォンカパのチベット密教』という本です。
宗祖ツォンカパ大師の密教に関する主著として名高い『真言道次第広論 (ガクリム・チェンモ』をテーマに、ゲルク派の伝統教学沿って研究を行ない、その成果をまとめて書きおろした内容です。

この本の内容などを紹介するページを、この個人サイト内に立ち上げました。
こちらです。
今後このページでは、編集プロセスの進捗状況をときどき御報告するとともに、各章の内容を詳しく紹介したり、関連するお話しもしたいと思います。
是非、ときどきチェックしてみてください。

5月16日(木) 「サカダワ法要」25日に厳修

チベット暦の4月は「サカダワ」といい、特にその15日(今年の場合だと、新暦5月25日)は、仏教の教主である釈迦牟尼仏の御誕生・成道・涅槃の聖日とされ、功徳を積む修行に最も適した機会です。
ポタラ・カレッジ東京センターでは、5月25日(土)午後6時45分から8時15分頃まで、クンチョック師を導師に「サカダワ法要」を厳修します。どなたでも御参加いただけますので、御都合がつけば、是非いらっしゃってください(予約は必要ありません)。
また、法要に参加できない方々も、各自でお釈迦様に祈りを捧げ、「ティヤター・オーン・ムニ・ムニ・マハームナイェー・ソーハー」という釈尊の御真言をお誦えになるようお勧め致します。

なお、翌26日(日)の「定例法要」は、お休みとなります。

5月 4日(土) チベットフェスティバル

昨日午後、少し時間が取れたので、真言宗豊山派大本山護国寺(東京都文京区)で開催されているチベットフェスティバルに行ってきました。この催しの全般については、主催者の公式サイトに詳しいので、下のURLを参照してください。期間は、5月6日(月・祝)までです。
http://www.tibethouse.jp/tibetfes/index.html

きょうのブログでは、昨日拝観した三つの砂曼荼羅について、作壇に携わる大本山タシールンポ寺の僧侶の方々から伺ったことなどを、簡単に紹介しましょう。
砂曼荼羅は、本堂(観音堂)内陣の向かって右側と左側、及び桂昌殿の三箇所で同時に作壇されています(午前10時~午後4時)。
それらの本尊はいずれも、所作タントラに基づく四臂観自在です。曼荼羅の彩色も共通で、東が青、南が黄、西が白、北が緑、中央が赤となっています。これらは順に、阿閃・宝生・大日・不空成就・阿弥陀の五部を表わしています。中央が阿弥陀となっているのは、主尊観自在の部主だからです。
では、三つの曼荼羅はどこが異なっているかといえば、主尊の表現形式です。桂昌殿の曼荼羅は仏身、本堂内陣左の曼荼羅は種字(ཧྲཱིཿ)、右の曼荼羅は三昧耶形(蓮華)となっています。これらは順に、本尊の御身・御語・御心を表現するものとされています。瑜伽タントラ的な言い方をすれば、大曼荼羅・法曼荼羅・三昧耶曼荼羅ということになるでしょう。
ちなみに、主尊の仏身などは、曼荼羅の東を下にして描かれます。

曼荼羅の本当の意味内容については、このサイトの「曼荼羅とは何か」というページを御覧になってください。学芸員的な説明ではなく、密教行者の立場で曼荼羅をどう理解すべきか・・・というテーマの論考です。

4月22日(月) ゴールデンウィークの集中講座

ポタラ・カレッジ東京センターで、5月の連休期間中に、二つの集中講座を実施します。
地味なプログラムですが、仏教を真面目に学修してゆきたい方々にとっては、本当に役にたつ内容です。

1.「四百論」第四品・第六品の解説
5月3日(金・祝)・4日(土・祝) 11時~5時 クンチョック・シタル師担当
中観思想の根本聖典であるアールヤデーヴァ(聖提婆)『四百論』のうち、我執の断滅を説く第四品と煩悩の断滅を説く第六品を、チャンドラキールティ(月称)による註釈に沿って平易に解説します。言うまでもなく、我執と煩悩の断滅は、仏道修行の中心となるテーマです。実践の指針となる貴重な教誡を、『四百論』の言葉から汲み取ってゆけると思います。

2.「量評釈」第二品の解説
5月5日(日・祝)・6日(月・休) 11時~5時 ガワン・ウースン師担当
仏教論理学の根本聖典であるダルマキールティ(法称)『量評釈』のうち、前世と来世の存在などを論証する「量成就品第二」を読み解いて考察します。前世や来世の存在は、目で見て確かめられるものではありませんが、「ラムリム」をはじめとする仏教の教理・実践体系を本格的に学修するには、それらを否定せずに受け容れることが不可欠です。そのための論理的根拠を、『量評釈』の言葉から読み取れると思います。

お問合せ・お申込みは、TEL.03-3251-4090、info@potala.jpにて承わります。

4月17日(水) 20日から定期講習スタート

新しい本の原稿チェックに追われ、なかなかブログを更新できていませんが、ポタラ・カレッジの定期講習が4月20日(土)からスタートします。
こちらを御覧ください。

東京センターでは、「三十七菩薩行」(通信受講専用)、「観自在菩薩の成就法」()、「前行道場 金剛薩埵」、「了義未了義善説心髄」(4/27から)が新規開講です。
大阪教室では、「止観の瞑想」(5/26から)が新しく始まります。

4月の名古屋教室は20日(土)でクンチョック先生担当、大阪教室は28日(日)でガワン先生担当です。

今期も、どうかよろしくお願いします。
仏教の学修に、ともに精進してゆきましょう!

4月 7日(日) ヤマーンタカ実践講座

昨日は、ポタラ・カレッジ会員有志の主催による「ヤマーンタカ一尊成就法略本」の実践講座(灌頂受者限定)が文京区春日であり、行法指導を担当させていただきました。あいにくの荒天にもかかわらず、定員いっぱいの参加者の方々が集まり、熱心に受講なさってくださいました。
私の説明が拙くて、疑問解消に至らなかった点は、色々あると思います。でも、皆が法具等を持参して一緒に成就法を修行しながら、行法解説と質疑応答を交えるというやり方は、実践面の理解を深めるうえで効果的だったと思います。
今回幹事をお務めくださった杉橋さんや、お手伝いくださった方々、そして参加者の皆様全員に、随喜と感謝を捧げたいと思います。
また、定員オーバーで御参加いただけなかった方、特にメールでの連絡がうまくゆかず申し込み受理のできなかった方へ、深くお詫び致します。本当に、申し訳ありませんでした。
これからも、会員の皆様と知恵を出しあいながら、こうした自主的な取り組みの輪を広げてゆければと思います。

4月 4日(木) 春の集中講座「ガクリム概観」

4月13日(土)14日(日)の二日間、ポタラ・カレッジ東京センターで、春の集中講座を担当させていただきます。
宗祖ツォンカパ大師の密教の主著『真言道次第広論(ガクリム・チェンモ』をテーマに、十四品からなる全篇の内容概観です。仏教全体の枠組みから密教を修行する意味を考え、無上ヨーガを中心に四部タントラの行法次第を整理します。

3月27日の記事で書いたとおり、定期講習の「真言道次第広論」コースは、これから究竟次第総論(第十三品)へ入ります。このコースに参加する場合の予習としても、今回の集中講座は適していると思います。
無上瑜伽タントラの灌頂を受けていれば、どなたでも受講可能です。お問合わせ・お申込みは、info@potala.jpまで。

日数を一日だけにして、受講資格も設定しなければ、もっと巾広く大勢の方に御参加いただけると思います。でも今回は、密教の本格的な内容をきちんとお話ししたいので、敢えて二日間の集中講座とし、無上瑜伽タントラ灌頂受者限定とさせていただきました。

4月 3日(水) 定期講習の案内書送付

春からの定期講習の案内書・申込書を、月曜日に発送しました。
ポタラ・カレッジの会員、及び最近の諸行事に参加された方々を中心にお送りしていますが、それ以外の方へも御依頼があれば郵送します。info@potala.jpまで、遠慮なくお申し付けください。

また、案内書とほぼ同じ内容をポタラ・カレッジの公式サイトにも掲載していますから、併せて御参照くださいこちらをクリックすると、別ウィンドウで開きます)。

案内書の封入・発送や公式サイトの更新は、全て会員の方々のボランティアで行なわれています。改めて、心から感謝したいと思います。

3月27日(水) 「ガクリム」のコース、究竟次第に入ります

ポタラ・カレッジの春からの定期講習で、私が担当させていただいているコースは、全て現行の内容の継続です。ただ「真言道次第広論」(土曜 午後1時30分~3時)は、4月から第十三品に入るので、半分「新規開講」といえるかもしれません。
『真言道次第広論(ガクリム・チェンモ)』の第十三品は、無上瑜伽タントラ究竟次第の総論と位置づけられ、「グヒヤサマージャ」聖者流、同ジュニャーナパーダ流、「カーラチャクラ」、「チャクラサンヴァラ」、「へーヴァジュラ」の順に、それぞれ究竟次第の行法を概観しています。
究竟次第について真面目に学びたい方は、今期からの受講を是非お奨めします。

そう言うと、「究竟次第のような密教の奥義を、初心者が学んでもよいのだろうか?」と疑問に思う方もおられるかもしれません。
たしかに究竟次第を学ぶためには、無上瑜伽タントラの大灌頂を受法し、三昧耶と律義を守っていることが、最低条件として必要です。しかし、それらを満たしているならば、初心者でも究竟次第を学ぶことはできます。と言うより、なるべく早めに学んだほうが、むしろ望ましいのです。なぜでしょうか?
宗祖ツォンカパ大師は、『真言道次第広論』第十一品の中で、無上瑜伽タントラの学修順序を、次のように明示しています。

大灌頂の受法→三昧耶と律義の保持→聞と思により生起・究竟二次第を学ぶ→生起次第の修習→究竟次第の修習

三昧耶と律義の保持は、具体的には「六座グルヨーガ」と懺悔の修行です。生起次第の修習は、成就法の実践です。だから、「成就法を徹底的に修行してからでないと、究竟次第を学んではいけない」などと考えるのは、正しくありません。
究竟次第を本格的に修習できるのは、たしかに、成就法を徹底的に修行して生起次第に堪能になった後です。けれども、そのことと、「聞と思により究竟次第を学ぶこと」を混同してはいけません。
生起次第の修習より前に、聞と思によって究竟次第を学んでおいたほうがよい理由は、極めて明白です。それは、生起次第を修習する主目的が、「究竟次第を本格的に修習できるようになるため、行者の心相続を熟させること」にあるからです。この目的のため、生起次第の諸々の行法は、究竟次第と行相が一致するように設定されています。それを意識して成就法を修行するためには、あらかじめ究竟次第の内容を知っておかなければいけません。よく考えれば、至極当然のことですよね。
生起次第では、本尊ヨーガを修習し、曼荼羅を観想し、供養したり真言を念誦したりします。それらの要素自体は、四部タントラの全てに共通するものです。でも、究竟次第と行相を一致させてそれらを修習するという点は、無上瑜伽タントラの生起次第だけに見出される極めて優れた特長です。
もし、究竟次第との行相の一致を意識せずに生起次第を実修すれば、瑜伽タントラ以下と大差ないものになってしまいます。無上瑜伽タントラの真価を十分発揮した生起次第になるか否かは、行者の心の持ち方一つに懸かっているのです。だから、究竟次第を意識して成就法を実修することに、初心者のうちから慣れておいたほうがよいと思います。
こうした点も考慮し、「真言道次第広論」のコースは、今期から通信受講併用とします。無上瑜伽タントラの大灌頂を受けている方なら、遠方にお住まいでも受講可能です。

3月26日(火) 春からの定期講習のページ

ポタラ・カレッジ(東京センター・名古屋教室・大阪教室)の定期講習、春からのコースの案内ページを作りました。
こちらを御覧ください。

3月12日(火) サイト開設3周年

きょうは、この個人サイトを始めてから、ちょうど三年めにあたります。
この三年間、本当にいろいろなことがありました。しかし、世間がどんなに変化しても、仏教の素晴らしい真価は決して失われません。
だからこそ、この個人サイトは、地道に長く続けてゆきたいです。激動の世の中で確かな拠りどころとなる仏法を、インド-チベットの伝統教学に則し、分かりやすく紹介してゆければと思います。
今後とも、どうかよろしくお願いします。

3月 7日(木) お彼岸特別講演「チベット仏教の祈祷修法」

3月20日(水・祝)、ポタラ・カレッジ東京センターで、特別講演「チベット仏教の祈祷修法」を実施します。担当は、クンチョック・シタル師です。
チベット仏教で修法される祈祷について、当病平癒、延命長寿、魔除け、厄除け、開運満足、交通(旅行)安全など様々な願意ごとに、本尊、経軌、修法の概要を説明します。また、婚礼や出産などの儀礼や、占いとの関連にも言及する予定です。
チベット人社会でこうした祈祷修法がどのように行なわれているか、巾広く紹介します。自分自身で現世利益の祈りを捧げる場合の参考にもなると思います。
どなたでも受講できます。お問合せ・お申込みは、TEL.03-3251-4090、またはinfo@potala.jpへ。

2月26日(火) 4月からの定期講習新コース

ポタラ・カレッジ定期講習、春からのコースで新規開講は、次の内容を予定しています。4月下旬から始まります。

【東京センター】
① 「三十七菩薩行」通信受講専用コース ガワン・ウースン師
 大乗仏教の基礎を学べる初心者向けコースです。
② 「観自在菩薩の成就法」通信受講専用コース クンチョック・シタル師
 断食行の本尊ともなる四臂観自在の成就法を解説します。
③ 「了義未了義善説心髄」土曜午前11~12時30分 クンチョック師
 宗祖ツォンカパ大師が唯識と中観を説き明かした重要な論書を、原典講読します。
④ 「前行道場 金剛薩埵」日曜午後5時~6時30分 クンチョック師
 百字真言の念誦による懺悔の修行を実践指導します。
※ 新規開講ではありませんが、私が担当している「真言道次第広論ガクリム・チェンモ)」のコース(土曜午後1時30分~3時)は、4月から究竟次第の解説(第十三品)へ入ります。

【大阪教室】
止観の瞑想」クンチョック師担当(5・7・9月)の午後クラス
 精神集中と真理観察の瞑想を分かりやすく解説します。

2月17日(日) 祈願大祭法要

一週間ちょっと先ですが、2月25日(月)は、チベット暦で1月15日、祈願大祭(ムンラム・チェンモ)の御縁日です。お釈迦様が神変をお示しになり、外道や諸魔を降伏なさった日とされています。
ポタラ・カレッジ東京センターでは、前日の2月24日(日)よる6時45分から、「祈願大祭法要」を厳修します。お釈迦様の降魔の偉業に随喜して功徳を積む機会です。どなたでも御参加いただけますので、御都合がつけば是非いらっしゃってください(予約不要)。

2月11日(月) チベット暦元旦

本日は、チベット暦2140年元旦(ロサル)です。
新しい年にはチベット本土の状況が好転し、人々が平和な信仰生活を送れるように、心から祈りたいと思います。

総本山ガンデン寺(ラサ)にて、灯明を供養する老僧。

2月 8日(木) 「修行の設計図」韓国で出版へ

拙著 『チベット密教 修行の設計図』 が、韓国で翻訳出版されることになりました。このような地味な図書へ目を向けてくださったことに、感謝したいと思います。
まだ先の話ですけれど、翻訳書が刊行されたら、またお知らせします。チベット仏教に御関心のある韓国人のお知り合いがいらっしゃったら、その折は是非よろしくお願い致します。

1月29日(水) ロサルの集い

二週間も更新をサボってしまい、すみません。いま図書執筆の仕上げに入っていて、時間的に全然余裕がないわけではないけれど、どうしても気持ちがそちらへ行ってしまうもので・・。
それにしても、1月は本当に、アッという間に過ぎてしまいました。こんな調子で一年が過ぎ去ってゆくのでは、たまったもんじゃありません(笑)。

さて、まもなくチベット暦のお正月「ロサル」です。今年の場合、元旦は新暦の2月11日(月・祝)になります。
ポタラ・カレッジでは、当日のよる6時から、去年と同じような感じで「ロサルの集い」を実施します。会場は、東京センターの近くにあるインド料理店「ガンディーマハル」です。特別なお祝い行事とかは行ないませんが、会員・受講者の皆様にとって、相互交流の良い機会になるのではないかと思います。事前に人数を把握ておく必要がありますから、参加御希望の方は、2月8日(金)頃までにお申し込みいただけると助かります。TEL.03-3251-4090、info@potala.jp

同じく2月11日の午前11時から午後5時まで、ポタラ・カレッジ東京センターで、ガワン・ウースン師担当の特別講習「普賢行願賛2」があります。新春特別講習の続きですが、和訳の資料もあるから、今回だけ受講しても大丈夫だとのことです。

1月16日(水) チベット暦カレンダー

白マハーカーラ;チベット医学・暦法研究所のカレンダーより転載

ポタラ・カレッジ東京センターに、チベット暦の新しいカレンダーと暦本が届きました。これは、ダラムサラにあるチベット医学・暦法研究所(メンツィーカン)が毎年作成しているものです。
チベット暦の新年は2140水蛇年、新暦の2月11日から始まります。
今年のカレンダーの仏画は、中央が白マハーカーラ(白大黒)、向かって左が毘沙門天、右がザンバラです。いずれも財神として拝まれている諸尊ですから、財運向上や商売繁盛などの善い御縁になると思います。そうした現世利益を祈願するときは、三宝への帰依や菩提心に基づき、「順縁(仏道修行のための好条件)が円満具足するように」という気持ちで祈ることが肝要です。この点は、ラマたちが、いつも強調なさっています。
白マハーカーラの許可灌頂は、大阿闍梨チャンパ・リンポチェ師が、最後の御来日となった2010年春にポタラ・カレッジ東京センターで厳修なさっています。毘沙門天の許可灌頂は、やはりチャンパ・リンポチェ師が、2005年春にお授けくださいました。東京センターには、その際に用いられた毘沙門天の立体曼荼羅が、現在も大切に安置されています。

1月 7日(月) 新春特別講習「普賢行願賛」

1月14日(月・祝)にポタラ・カレッジ東京センターで、新春特別講習「普賢行願賛」を実施します。担当はガワン・ウースン師、時間は午前11時~午後5時です。
「普賢行願賛」は、『華厳経』入法界品の末尾に説かれている教えです。頂礼・供養・懺悔・瑞喜・勧請・祈願・廻向という七支分の修行の根拠となり、チベット仏教では宗派の区別なく大変重要視されています。今回の特別講習では、「普賢行願賛」を読みながら、仏道修行の基礎となる七支分の要点を簡潔に説明します。
お問い合わせ、お申し込みは、TEL.03-3251-4090、info@potala.jpまで。

1月 4日(金) 1月の大阪教室は6日

昨日の「新年法要」は、多くの方々の御参加をいただき、とても良かったと思います。ガワン先生を中心に準備したデースィル(チベット風お赤飯)の御供養も上手くゆき、幸先の良い一年のスタートをきることができました。

さて、1月の大阪教室ですが、前からお知らせしているとおり、会場の都合で6日(日)の実施となります。担当は、クンチョック先生です。松の内に大阪教室を行なうのは異例のことですから、お間違いのないようお気をつけください。
東京センターの定期講習は、7日(月)から始まります。

2013年1月1日(火) 謹賀新年

あけましておめでとうございます。
皆様にとって、幸せで有意義な一年となりますように!
本年も、「チベット仏教ゲルク派 宗学研究室」を、よろしくお願い致します。

ポタラ・カレッジは、今年もゲシェー・ソナム先生不在の一年となりますが、クンチョック先生を中心に力を合わせて頑張ってゆきたいと思います。
そして今年は、ポタラ・カレッジの十五周年にも当たります。極めて小規模な仏教団体ですが、有縁の皆様のお蔭で、何とか活動を続けてこられました。本当に有難うございます。
派手なことはできませんけれど、十五周年にふさわしい企画を実施できればと思います。そしてこれからも、中身のクオリティにこだわった真面目な活動を、地道に続けてゆきたいですね。

2012年12月30日(日) 2012年を振り返って

明日はもう大晦日ですね。
ということで、今年一年を簡単に振り返ってみたいと思います。

ゲシェー・ソナム・ギャルツェン師が昨年秋から三年間の大親近行へ入ったため、今年は丸一年間、ソナム先生不在という状況でポタラ・カレッジの活動を行なわなければなりませんでした。
私も、定期講習や特別講習の担当が、多少増えました。しかしそれよりも、クンチョック先生とガワン先生が、本当に大変だったと思います。
でもとにかく、会員・受講者の皆様のお蔭で、何とか無事に一年間活動を続けられました。改めて、心より感謝したいと思います。

10月には、大阿闍梨チャト・リンポチェ師の密教伝授がありました(詳しくは、こちらを御覧ください)。今回「ヤマーンタカ一尊」の大灌頂を、成就法略本の実修を三昧耶(誓約事項)とする形で授けていただいたのは、とても画期的なことだと思います。
「ヤマーンタカ一尊」の行法は、ゲルク派密教の中でも、多くのラマたちが集中して修行なさっているものです。「グヒヤサマージャ」聖者流に近似した極めて深遠な内容を、比較的簡素化した儀軌で実践できるという、非常に優れた行法です。それゆえ、私たちが日本で無上瑜伽タントラを本格的に修行する場合、現実的に最も実践しやすい行法だといえるでしょう。
だからこれは、灌頂を受けて三昧耶と律儀を保持する(具体的には「六座グルヨーガ」を毎日実修する)という最低限の修行から、一歩先へ進む絶好のチャンスとなります。そうは言っても、日常生活に忙殺される中で、「六座グルヨーガ」に加えて自主的に成就法の修行を続けるのは、並大抵のことではないでしょう(暇なときに実践するだけでは、本格的な修行にはなりません)。今回の大灌頂では、略本の実修が三昧耶となったため、私たち灌頂受者は、一歩先へ進まざるを得ない道へ導かれたわけです。これは非常に有難い仏縁で、ラマの大慈悲によるお導きにほかなりません。
具体的に修行を進めてゆくにあたっては、いろいろと疑問点なども出て来ると思います。それに関しては、定期講習や特別講習でフォローしてきたつもりだし、これからもそのようにしてゆきたいと思います。密教伝授の受者の方々に対し、事前の準備と事後のフォローを出来るだけきちんと行なうというのは、ポタラ・カレッジの基本方針です。

自分個人の面で、この一年で最大の成果は、夏にギュトゥー寺で密教の学修をさせていただいたことだと思います(詳しくは、こちらを御覧ください)。
今回は、「ヤマーンタカ一尊自灌頂儀軌」と「グヒヤサマージャ聖者流成就法広本」について、ギュトゥー寺の流儀を学ぶことができました。この御縁を大切にし、来年以降も学修を続けられるよう、精進して参りたいと思います。

図書執筆の面では、今年も成果を出せず、本当に申し訳ありません。来年は、是非頑張りたいと思います。これはもう、色々言い訳しても仕方がないので、具体的成果をきちんと示すしかありませんね(笑)。
図書といえば、ポタラ・カレッジ会員でもある安元剛氏の起心書房が、仏教を中心とする人文系学術書の出版社としてスタートし、『入中論』や『金剛頂タントラ』の全訳など三冊を刊行したのも、特筆すべき今年の出来事です。心から随喜するとともに、来年以降の展開を期待したいと思います。

今年も、「チベット仏教ゲルク派 宗学研究室」を御覧くださり、本当に有難うございました。チベット仏教を学んで実践されている方々へ、真に役だつコンテンツを提供してゆけるよう、一層努力して参りたいと思います。
来年も、どうかよろしくお願い致します!

12月29日(土) ポタラ・カレッジで初詣できます

年明け1月3日(木)午後2時から5時まで、ポタラ・カレッジ東京センターで初詣ができます。
また、午後3時から4時頃まで、クンチョック・シタル師を導師に「新年法要」を厳修します。どなたでも、自由に御参加いただけます。『チベット仏教 常用経軌集』をお持ちの方は、御持参ください。

12月26日(水) すす払い

ポタラ・カレッジの年内の授業も、23日・24日の年末特別講習、及び23日の大阪教室で全て終わりました。
昨日は、東京センターのすす払い(年末清掃)。年明け3日に厳修する「新年法要」の準備も整いました。御奉仕くださった会員の皆様、いつも本当に有難うございます!

12月20日(木) 厄日明け

ゲンパ・グゾム、昨夜で終わりましたね。厄日明けの24時間は、特に縁起が良いとも言われています。
私は、懸案となっていた本の仕上げ、今日から本格的に取り組みます。あくまで偶然の巡り合わせですけれど、これから春にかけて、一生懸命頑張りたいと思います。

12月18日(火) 今日と明日はゲンパ・グゾム

チベット暦で年間最大の凶日とされる「ゲンパ・グゾム」が、今年は新暦の12月18日と19日になっています(2010年12月11日のブログ参照)。年末の時期に重なって厄介ですけれど、18日の夜は、用心するにこしたことありません。特に、様々な善い仕事や企画、仏教の継続的な修行などを、この期間中に開始しない方がよいといいます。
チベット医学・暦法研究所の暦本によると、正確には、18日の午後11時45分から19日の午後10時36分までのようです)。

12月16日(日) 年末特別講習「縁起賛」

12月23日(日・祝)24日(月・休)の二日間、ポタラ・カレッジ東京センターでは、クンチョック・シタル師の担当で年末特別講習「縁起賛の解説」を実施します。時間は、両日とも午前11時から午後5時です。
『縁起賛』は、宗祖ツォンカパ大師によるお釈迦様の礼賛。縁起と空の教えを説示なさったという面から、釈尊の偉業を称える内容です。中観哲学の要点を簡潔にまとめているため、ダライ・ラマ法王は、この『縁起賛』をテーマに御法話を授けられることもよくあります。
今回の特別講習は、法王による解説も参照し、『縁起賛』を通じて中観思想を学べる機会になると思います。
お問い合わせ、お申し込みは、TEL.03-3251-4090、info@potala.jpまで。
なお、東京センターの定期講習は、年内12月22日(土)までの授業となります。

12月13日(木) 今週土曜は名古屋教室

12月15日(土)は、ポタラ・カレッジ名古屋教室を担当させていただきます。午後1時から「チベット仏教入門」、3時15分から「グルヨーガ」です。詳しくは、こちらを。
年末で色々お忙しい時期と思いますが、御都合つけば是非いらっしゃってください。

それに伴い、当日の東京センターの定期講習「真言道次第広論」は、クンチョック先生の担当で第一品の要点解説となります。
『真言道次第広論(ガクリム・チェンモ)』の第一品には、顕密の関係性や四部タントラの特徴を知るうえで、非常に重要な内容が説かれています。

12月 7日(金) ツォンカパ大師御縁日

明日12月8日(土)は、チベット暦で10月25日。ゲルク派宗祖ツォンカパ大師が示寂なさった御縁日で、「ガンデン・ガチュー」といいいます。チベット仏教圏では、ガンデン・ガチューの夜、家々の仏壇や窓辺に灯明を点し、幻想的な雰囲気の中で祈りの時間を過ごします。
ポタラ・カレッジ東京センターでも、当日の夜6時45分から8時15分頃まで、クンチョック先生を導師に、「上師供養」と「ツォク供養」の法要を実施します。どなたでも予約なしで自由に参加できますから、是非いらっしゃってください。

11月30日(金) ダライ・ラマ法王の「ラムリム」大講伝

ダライ・ラマ法王猊下は、本日から12月13日まで、南インドのムンゴットに再建された総本山ガンデン寺と大本山デプン寺にて、「ラムリム」十八聖典の大講伝を厳修されます。これは、リン・リンポチェ猊下の勧請によるものです。
(詳しくは、大講伝の公式サイトhttp://www.jangchuplamrim.org/ を御覧ください。)

その中にも出ていますが、「ラムリム」十八聖典というのは、次のとおりです。
1.アティーシャ大師の『菩提道灯論(チャンチュプ・ラムドゥン)』
2.ツォンカパ大師の『菩提道次第広論(ラムリム・チェンモ)』
3.同 『菩提道次第略論(ラムリム・チュンワ)』
4.同 『菩提道次第集義(ラムリム・ドゥートゥン)』
5.ダライ・ラマ三世の『ラムリム・セルシュンマ』
6.パンチェン・ラマ一世の『ラムリム・デラム』
7.ダライ・ラマ五世法王の『ラムリム・ジャムペル・シェルルン』
8.パンチェン・ラマ二世の『ラムリム・ニュルラム』
9.ゴムチェン・ガワン・タクパの『ラムリム・レクスン・ニンク』
10.ツォンカパ大師の『ラムツォ・ナムスム』
11.同 『ユンテン・シルキュルマ』
12.同 『トクジュー・ドゥンレクマ』
13.コンポ・ラマ・イェシェー・ツンドゥーの『ラムリム・ドゥーツィ・ニンポ』
14.ジェ・ゲドゥン・ジャムヤンの『ロギュー・ラムリム』
15.アムド・ラマ・ゲドゥン・テンズィンの『シャマル・ラムリム』
16.同 『シャマル・ラクトン』
17.キャブジェ・パポンカの『ラムリム・ナムトゥル・ラクチャン』
18.ヨンズィン・ティチャン・リンポチェの『ラムリム・ティンプー・サチェー』
(以上のうち2~9は、「ラムリム八聖典」としてよく知られています。
6と8の和訳は、『パンチェン・ラマのラムリム』ゲシェー・ソナム・ギャルツェン、小野裕子共訳、「ポタラ・カレッジ チベット仏教叢書5」。

今回ダライ・ラマ法王は、「ラムリム」の各次第(例えば、有暇具足、etc.)ごとに、これら十八の聖典を全て伝授なさるそうです。2週間だけでは足りないため、来年に南インドの大本山セラ寺で、続きが行なわれる予定だといいます。

大講伝の模様は、公式サイトでリアルタイム中継されるようですこちらをクリックすると、該当ページが別ウィンドウで開きます)。大本山に於ける法王の本格的な講伝の様子を、垣間見ることができると思います。


11月27日(火) 金剛頂タントラ

金剛頂大秘密瑜伽タントラ

以前に御紹介した起心書房から、「入中論」の全訳と同時に、『全訳 金剛頂大秘密瑜伽タントラ』(北村太道・タントラ仏教研究会 訳)という図書が刊行されています。これは、書名のとおり「金剛頂タントラ」の全訳であり、地味ながら画期的な研究成果です。
「金剛頂タントラ」rdo rje rtse mo(Toh.480)は、日本密教の根本聖典として有名な「金剛頂経初会(真実摂経)」de nyid bsdus pa(Toh.479)の釈タントラと位置づけられます。「金剛頂経」の第二会・第三会に相当するとも考えられています。伝統的には、日本へ伝わっていません。

チベット密教の伝統教学の立場から言えば、「真実摂経」や「金剛頂タントラ」は、四部タントラの中で瑜伽タントラに属します。
「金剛頂タントラ」の一つの特色は、無上瑜伽タントラとも大筋で共通する三昧耶戒について説示しているという点です。例えば、大灌頂で三昧耶戒を授かるときに誦える「五部の三昧耶戒の偈頌」は、この「金剛頂タントラ」の中にも見出せます。今回出版された『全訳 金剛頂大秘密瑜伽タントラ』では、pp.119-120に掲載されています。無上瑜伽タントラの場合、これとほぼ同じ偈頌が、「ヴァジュラダーカ」や「サムプタ」などに説かれています。
また、パンチェン・ラマ一世の「六座グルヨーガ」の儀軌では、その冒頭で「金剛頂タントラ」から「〔三昧耶の律儀を〕昼と夜に三返、日ごとに念誦せよ。そのとき怠った瑜伽行者は、重大な罪に陥るだろう」という阿含を引用し、灌頂を受けた密教行者が毎日「六座グルヨーガ」を修行すべき根拠としています。この阿含は、『全訳 金剛頂大秘密瑜伽タントラ』では、p.119にあります。

この書籍について詳しくは、こちらを御覧ください(起心書房のサイトの該当ページが別ウィンドウで開きます)。

11月25日(日) 本日の大阪教室に関するお詫び

本日は、大阪教室で会場を確保できていないという不手際があり、受講者の皆様に多大な御迷惑をおかけ致しました。慎んで深くお詫び申し上げます。また、急遽臨時に場所を御提供くださった受講者の方に、心より感謝致します。
今後は、このような不手際を防止するため、ポタラ・カレッジ事務局と会場の應典院との間で直接連絡をとりあう態勢に改めました。受講者の皆様へ御迷惑をかけることのないよう、誠心誠意気をつけて参りたいと思います。

11月21日(水) ヤマーンタカと六座の特別講習

会員の皆様へは既にお知らせしていますが、23日(金・祝)に私の担当で、「ヤマーンタカ一尊成就法略本と六座グルヨーガ 行法の復習」という特別講習を行ないます。主には、10月に厳修された大阿闍梨チャト・リンポチェ師による「ヤマーンタカ一尊大灌頂」受者の方を対象と考えていますが、無上瑜伽タントラの大灌頂を受けている方ならどなたでも御参加いただけます。
今回の特別講習の趣旨は、「六座グルヨーガ」と「成就法略本」がヤマーンタカ一尊大灌頂の三昧耶(誓約事項)となっており、必ず毎日修行しなければいけない状況で、実践に困らないため最低限の知識を学び、最も基本的な所作や観想内容を習得しようというものです。日々の実践の積み重ねが、より本格的な修行へ結びついてゆくように、要点を整理してお伝えできればと思います。

11月15日(木) ダライ・ラマ法王と「入中論」

9月26日の記事で紹介した起心書房のサイト、「編集室から」というページに、『全訳 チャンドラキールティ 入中論』を御来日中のダライ・ラマ法王へ献呈した際のお話が載っています(11月13日付)。
法王は同書を頭上に戴かれ、「これは『般若心経』の空を理解する上で、最も大切なテキストだ」とおっしゃったそうです。
『入中論』という教えの重要性を、改めて認識させられるエピソードですね。
こちらをクリックすると、別ウィンドウで開きます。)

11月13日(火) 名古屋教室、新コース開講

今週の土曜、11月17日には、クンチョック先生担当の名古屋教室があります。2科目とも、今回から新しい内容でスタートです。
午後1時から「三十七菩薩行」、3時15分から「観音菩薩の祈願と瞑想」。
こちらを御参照ください。

11月 2日(金) ダライ・ラマ法王の御法話

ポタラ・カレッジ東京センターの定期講習、3日(土)と4日(日)は休講とさせていただきます。
3日は祝日なので、いつもと同様、自動的に休講となります。
4日は横浜でダライ・ラマ法王猊下の御法話・御講演があるため、それに参加される方も多いと思われるので、臨時休講と致します。

4日午前の御法話は、ランリ・タンパ大師の『ロジョン・ツィクギェーマ』がテーマです。この教えについては、ポタラ・カレッジ叢書2『八つの詩頌による心の訓練』に詳しい説明がありますから、御法話の復習に是非活用なさってください。
ダライ・ラマ法王は、2003年の御来日時にも、この教えをテーマに御法話をなさっておられます。そのときのレポートが、「ダライ・ラマ法王 現代日本へのメッセージ」のページにありますので、併せて御参照いただければ幸いです。

11月 1日(木) 『入中論』の本、取り扱い開始

9月26日の記事で紹介した『全訳 チャンドラキールティ 入中論』、ポタラ・カレッジ東京センターで取り扱いを開始しました。
会員・受講者の方々は、出来ればポタラ・カレッジを通じてお求めいただけると大変有難いです。

『入中論』は、中観思想を本格的に学ぶため、必要不可欠な論書です。チベット語の原典自体が難解ですから、当然この本も、内容的に平易なわけではありません。それでも、訳文を少し拝見した限りでは、比較的読みやすい表現になっているし、理解を容易にするための工夫が見て取れます。

10月30日(火) ギュトゥー寺の写真アルバム

8月にインドのダラムサラへ行き、ギュトゥー寺でチベット密教を学修したときのアルバム、大変遅くなりましたが出来あがりました。
写真が70枚以上あり、見るだけでも一苦労ですけれど(笑)、密教を学んだり実践している方にとっては、非常に興味深い内容だと思います。たとえば、ギュトゥー寺本堂に安置されている諸尊や、護摩修法、立体曼荼羅など・・。お暇なときに、是非御覧になってください。

ここをクリックすると、facebookのアルバムが別ウィンドウで開きます。見たい写真をクリックすると拡大され、説明も表示されます。facebookにアカウント登録していなくても、どなたでも御覧いただけます。

10月21日(日) チベット語を始めるチャンスです

ポタラ・カレッジ東京センターの定期講習、この秋からは久しぶりに「チベット語 入門コース」を開講します。全く初めての方が対象です。10月27日(土)開講、毎週土曜午前11時~12時30分、クンチョック・シタル師担当。

ゲシェー・ソナム師の大親近行入りに伴って第2会場を廃止したため、現在は、語学クラスを簡単に増やせる状況ではありません。そういう意味で、今回の「入門コース」開講は、チベット語を始める絶好のチャンスといえるでしょう。
御知人で関心のありそうな方がいらっしゃったら、是非お伝えください。

10月18日(木) チャト・リンポチェ師お見送り

本日成田空港で、大阿闍梨チャト・リンポチェ師の御一行をお見送り致しました。平日の昼間にもかかわらず、会員の方々も集まってくださり、とてもよかったと思います。

今回の密教伝授は、ゲシェー・ソナム師が大親近行入りして不在の状況で、初めての開催となりました。そのため、リンポチェの教え自体は本当に素晴らしかったのですが、運営面では不行き届きな点も多くありました。会員ボランティアの方々へ過度の負担をかけたり、受法者の皆様にもいろいろ御不便があったことと存じます。こうした点を、深くお詫び致します。
ソナム師の不在期間はあと二年ほど続きますが、今回の反省点を生かし、これからも灌頂などの密教伝授を積極的に実施してゆきます。特に来年は、ポタラ・カレッジ設立十五周年となりますので、それにふさわしい行事を企画したいと思います。「チベット仏教の貴重な教えを、それを真摯に求める方々へ正しく伝える」という初心に立ち返り、参加者本位の運営を心がけたいと考えています。

10月17日(水) 般若心経のページをアップしました

ポタラ・カレッジ東京センターで、私が担当させていただく新コース「チベットの般若心経」【通信受講併用】が、来週金曜から始まります。
『般若心経』をテーマとしつつ、ゲルク派伝統教学の枠組みを考察してゆきます。

それにちなんで、「チベット仏教と般若心経」のページをアップしました。
こちらを御覧ください。

これは、『大法輪』誌に掲載された記事の再掲です。チベット仏教に於ける『般若心経』について、修法、経文解釈、中観学、般若学の四方面から概説しています。
そうした内容に関して、今回のコースでは、詳細に学ぶことができます。読んでみて「面白そう」と思った方は、是非参加なさってみてください。通信受講も可能です。

10月16日(火) 土曜日は名古屋教室担当します

今週末の20日(土)は、ポタラ・カレッジ名古屋教室があります。今月も、私の担当です。
午後1時からは、「チベット仏教入門」です。今回は、六波羅蜜についてお話ししたいと思います。
3時15分からは、新規開講の「グルヨーガ」です。宗祖ツォンカパ大師を中心に瞑想を展開する「ガンデン・ラギャマ」のグルヨーガを、できるだけ実践的に説明します。
会場は、いつもどおり成田山萬福院です。中京圏の皆様、是非いらっしゃってください!
詳しくはこちらを。

10月15日(月) 密教伝授成満

大阿闍梨チャト・リンポチェ師による密教伝授は、昨日の「不動明王大灌頂」正行をもって、全ての行事が円満成就しました。これも、リンポチェの広大無辺な御慈悲、会員ボランティアの献身的な御尽力、そして受者の皆様の熱意と御協力のお蔭です。心から感謝と随喜を捧げます。

今回の一連の伝授を通じても言えることですが、ポタラ・カレッジの密教伝授では、質疑応答の時間を設けた場合、受者の方々からの御質問がとても素晴らしいと思います。基本をよく学修していて、教えを的確に聴聞したうえでの質問だということが、よく分かります。そういう受者のレベルの高さをお感じになり、ラマの側も更に深い内容に踏み込んでくださるという好循環は、主催者としても非常に嬉しいことです。

10月11日(木) 「出世間賛」の要点

昨日の講伝の課題であるナーガールジュナ『出世間賛』について、リンポチェが最も重要だとおっしゃっていた第二十偈を、仏説の教証や『中論』の該当箇所と併せ、密教伝授特設ページにアップしました。10月10日の箇所を御覧ください。
講伝に参加されなかった方も、『出世間賛』という教えの枠組みを、概略で把握できると思います。

10月 9日(火) ヤマーンタカ一尊の伝授成満

今回の密教伝授の中心となる「ヤマーンタカ一尊」の大灌頂と成就法伝授、連休の三日間で無事に円満成就しました。これもひとえに、大阿闍梨チャト・リンポチェ師の御恩と、会員ボランティアの方々の御尽力、受者の皆様の御協力のお蔭です。
昨日の成就法伝授は、とても素晴らしい内容だっただけに、本当は最低二日間あった方がよかったかもしれません。日程的に難しいから、仕方ないことですけれど、若干悔いが残ります。

「ヤマーンタカ一尊」の行法は、「グヒヤサマージャ」の理論を応用しやすく、複雑な曼荼羅最勝王を省いて修行でき、しかも宗祖ツォンカパ大師の強い加持力を伴っています。それゆえ、ゲルク派の密教行者が徹底的に実践するのに、最も相応しい行法だといえるでしょう。

この成就法については、秋からの定期講習で、広本儀軌の講読を行ないます。広本儀軌の中身を知っておけば、日々の成就法実修に役だつことは間違いないでしょう。できるだけ、詳しく丁寧に解説してゆきたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。通信受講併用方式ですから、遠方の方、お忙しい方でも大丈夫です。

10月 5日(木) 灌頂受法で一番大切なこと

明日から三日間、「ヤマーンタカ一尊」の大灌頂と成就法伝授があります。これを受法するにあたって最も大切なのは、至極当たり前のことですが、三宝への帰依、そして菩提心です。
こうした点については、2011年6月21日と23日のブログで書いているし、先月の「灌頂事前講習」でも詳しく説明しましたが、重要なことですから以前の記事を再掲しておきましょう。これは、私自身の自戒のためでもあります。

密教の灌頂や伝授では、「ラマと本尊は一心同体であり、それに仏法僧の三宝が集約されている」と信解し、真心から帰依することが大切です。
そして、「一切衆生のため、自分自身が仏陀の覚りを得よう」という菩提心を動機にして、灌頂や伝授を受けることが肝要です。
一番大事な要点は、実にこれだけです。

密教を修行するには、仏教一般の巾広い知識や、特に中観の正しい理解が必要です。また、密教自体についても、学ぶべきことはたくさんあります。瞑想を実践するためには、精神集中力も欠かせません。
けれどもこれらは、灌頂を受けから、いくらでも学修できます。特に精神集中力や瞑想技法などは、成就法の実践を通じて鍛えることが可能です。

帰依と菩提心もまた、灌頂を受けてから、さらにレベルアップしてゆく必要があります。
しかし、この両者が精神集中力などと決定的に異なるのは、「もし帰依と菩提心が全然なければ、その人にとって、灌頂自体が全く成立しない」という点です。たとえ伝授会場に座っていても、物理的に身体がその場に存在しただけにすぎず、本当の意味で灌頂を受けたことにはなりません。
ですから密教伝授に際して、とにかく帰依と菩提心だけは、何よりも重要視しなければいけないのです。

菩提心といっても、正真正銘の非作為的な菩提心を発するのは、そう簡単でありません。
そこまでは無理でも、まず菩提心についてよく学び、「自分も菩提心を発したい」という真摯な願望を抱き、そのうえでよく瞑想することが大切です。
例えば、「因果の七秘訣」などの瞑想を重ねることにより、作為的な菩提心を確立できるようになります。
灌頂の法儀では、ラマが菩提心のお話をなさるはずです。その内容を聴聞しながら、作為的な菩提心を確立できれば、それを動機にして灌頂を受けられるわけです。
だから、灌頂を受けた後も菩提心のレベルアップに精進し、非作為的な菩提心を目指さなければいけません。これができたら、そのとき本当に密教の菩薩となるのです。

10月 3日(水) 今日から密教伝授

いよいよ今日から、大阿闍梨チャト・リンポチェによる密教伝授が始まります。
素晴らしい受法の機会となりますように!

本日の「前行御法話」は、既に満員となっています(他の行事は、まだ空きがあります)。
非常に混みあいますので、大きな荷物は駅のコインロッカー等へ預け、最初から会場へ持ち込まないよう、できるだけ御協力をお願いいたします。

10月 2日(火) 密教伝授のページ

大阿闍梨チャト・リンポチェ師による密教伝授のための特設ページをアップしました。
こちらです。
このページでは、最新情報の提供、諸行事の記録、及び会員限定行事「ヤマーンタカ一尊」の説明などを行ないたいと思います。
ギュトゥー寺で撮影した「ヤマーンタカ一尊曼荼羅」の写真も掲載してあります。

9月30日(日) チャト・リンポチェ師御来日

昨日、大阿闍梨チャト・リンポチェ師御一行が、ウランバートルより成田空港へ無事ご到着になりました。
ポタラ・カレッジ東京センターでの密教伝授は、10月3日(水)からです。一般向行事の御案内はこちら

9月28日(金) 秋からの定期講習

ポタラ・カレッジ秋からの定期講習の紹介ページをアップしました。
こちらを御覧ください。

この秋からは、まったく初めての方を対象とする「チベット語入門」や、「チベットの般若心経」(通信受講併用コース)、「前行道場 帰依と菩提心」、「ヤマーンタカ一尊成就法広本講読」(通信受講併用コース)、「不動明王の成就法」(通信受講専用コース)など、充実した本格的な内容の新コースが開講されます。
名古屋教室では、「三十七菩薩行」、「観音菩薩の祈願と瞑想」、「グルヨーガ」が始まります。
大阪教室では、「普賢行願賛」が新規開講です。

9月26日(水) 『入中論』の全訳が出版されます

全訳入中論

この秋11月に、チャンドラキールティ『入中論』の根本頌と自註の全訳が出版されます。

全訳 チャンドラキールティ 入中論』瓜生津隆真・中澤中訳、起心書房。

『入中論』は、十地の菩薩行を説く形をとりつつ、中観帰謬論証派の思想哲学を集大成した重要な論書です。ゲルク派の僧院教育では、中観学の実質的な根本聖典として、最も重視されています。
この教えは、詩の形で説かれた根本頌と、それをチャンドラキールティ自身が解説した自註から成っています。根本頌は意味を凝縮して説いているため、自註を参照しないと正確な理解が困難です。『入中論自註』全訳の出版は、今回が初めてであり、とても画期的なことだといえるでしょう。

なおこれと同時に、「金剛頂タントラ」の全訳や「悪趣清浄儀軌」の研究書も刊行されます。

出版元の起心書房は、ポタラ・カレッジ会員でもある安元剛氏が設立した人文系学術書の出版社。
安元さんは、仏教書編集者として長年のキャリアを有し、また密教図像学の研究者としても活躍中です。チベット仏教学修のため、本当に役だつ良書を刊行する出版社として、今後が大いに期待されます。
詳しくは、こちらを。

9月20日(木) ギュトゥー寺のレポート掲載しました

遅くなりましたが、「ギュトゥー寺での密教学修」のページをアップしました。
こちらです。
ギュトゥー寺の概要と現地での学修体験を、ダラムサラ全体の話題とともに、旅行記風にまとめてみました。写真も少し載せてあります。

写真については、興味深い内容のものがたくさんあるので、後日facebookのアルバムを使って公開したいと思います。どなたでも、御覧いただけます。御期待ください。

9月16日(日) 灌頂事前講習担当します

密教伝授の事前講習として、9月22日(土・祝)に、「灌頂受法の心構えとヤマーンタカの概要」を実施します。ポタラ・カレッジ東京センターにて、午前11時から午後5時まで。私が担当させていただきます。
会員の皆様へお知らせしているとおり、今回の密教伝授の中心は、ヤマーンタカ一尊の大灌頂と成就法伝授です。これは会員限定で、誓約事項が非常に厳しいため、公式サイトには情報を出していません。ただ、この事前講習は、どなたでも御参加いただけます。ゲルク派密教に於けるヤマーンタカの位置づけについて、認識を深められるようなお話しができれば・・と思っています。

9月13日(木) チャト・リンポチェの密教伝授

今週ポタラ・カレッジ会員の皆様へ、大阿闍梨チャト・リンポチェ師(ナムギェル寺前僧院長)による密教伝授の御案内をお送りしました。会員以外の方へも、御依頼があれば郵送致しますので、遠慮なくおっしゃってください。
一般向の行事については、公式サイトにも情報をアップしています。こちらを御覧ください。

チャト・リンポチェは、昨秋高野山で厳修されたダライ・ラマ法王による金剛界大灌頂にあたり、曼荼羅の作壇や法儀の準備を監督された大阿闍梨です。ポタラ・カレッジでも、これまで三回に渡り、密教伝授をなさっておられます。

9月10日(月) 声明のフルバージョン

ギュトゥー寺の声明、2日に紹介したサンプルのフルバージョンをアップしました。
こちらです(Sound Cloudが別ウィンドウで開きます。自動的にスタートしないときは、左端の赤丸をクリックしてください)。
内容は、三帰発心、四無量心、曼荼羅供養。
誦えているニマ・ツェリン師は、儀軌や声明などを若手僧侶に教える先生です。
聴く人の心を揺さぶるような響きは、ギュトゥー流ゾッケーの真髄。途中に入っている小僧さんの暗誦の声など、僧院ならではの臨場感も楽しめます。

9月 8日(土) 曼荼羅供養です

2日の記事の答え。「曼荼羅供養」サシ・プーキーの偈頌の一行めです。
Sound Cloudに、カナ振っておきました。
ゾッケーの声明でどういうふうに長い節をつけているか、お馴染みの偈だからよく分かりますよね。

9月 2日(日) ギュトゥー寺の声明

独特の低音発声法で有名なギュトゥー寺の声明を、今日はサンプルだけ御紹介しましょう。​
ここをクリックしてみてください(Sound Cloudが別ウィンドウで開きます)。
これは、最も一般的な常用経軌を、ニマ・ツェリン師に読誦​していただいた録音の一部です。

さて、四無量心の後に長い節をつけて誦えている儀軌(17秒から後)は、いったい​何でしょう? 皆がよく知っている偈頌の一行です。
いきなり聴くと分かりにくいですが、一度分かってしまえば簡単。「な~んだ、そうか!」っていう感じになります。

そのうち、フルバージョンをアップしましょう。

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