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2011春の密教伝授

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ポタラ・カレッジ 2011年夏の密教伝授
お陰様で、全ての行事は無事に成満しました。ありがとうございます。

トクデン・リンポチェ;ロセルリン学堂公式サイトより転載

大本山デプン寺ロセルリン学堂の現僧院長トクデン・リンポチェ猊下をお招きし、7月にポタラ・カレッジ東京センターで御法話、灌頂、伝授などをなさっていただきました。

トクデン・リンポチェは、2003年から、ゲルク派密教の最高学府として名高いギュトゥー寺の副僧院長(ラマ・ウンゼー)と僧院長(ケンポ)を歴任なっています。そして2008年に、デプン寺ロセルリン学堂の僧院長として晋山されました。

昨年秋、私が大阿闍梨チャンパ・リンポチェ師のもとでヤマーンタカ一尊の親近行を実修したとき、チャンパ・リンポチェに「今後、ポタラ・カレッジで灌頂を授けてくださるラマとして、どなたをお招きしたら一番よろしいでしょうか?」とお伺いしました。するとチャンパ・リンポチェは、即座に「それはもう、トクデン・リンポチェがよいだろう。リンポチェは、ギュトゥー寺で長く修行していて、密教に本当に精通したラマだ」とおっしゃいました。この種の質問に対するお答えとしては珍しいほど、チャンパ・リンポチェが明確な口調で断言なさったのが、私には非常に印象的でした。

秘密集会本尊;総本山ガンデン寺の壁画
グヒヤサマージャ本尊 (ラサのガンデン寺の壁画)

今回の密教伝授は、ゲルク派密教の究極である「グヒヤサマージャ」の大灌頂と成就法伝授をはじめ、とても中身の濃い有意義な教えばかりでした。
一連の密教伝授の記録として、このページは保存しておきます。


1.密教伝授の日程と概要 (震災による延期後の新日程)

今回の密教伝授に関係する日程は、次のとおりです。

3月12日(土)、ポタラ・カレッジ公式サイトへ、一般向行事の案内を掲載しました。こちらを御覧ください。

3月15日(火) 詳しい案内書・申込書をポタラ・カレッジ会員の方へ郵送(会員以外の方へも、御請求があればお送りします)。受法申し込みの受付を開始(既に受理した申し込みは、延期後もそのまま有効)。

3月21日(月・祝) ゲシェー・ソナム・ギャルツェン師(ポタラ・カレッジ会長)による準備講演「灌頂受法の心構えとグヒヤサマージャの概要」を実施しました。

3月24日(木) 日程の3箇月延期を決定。

6月17日(金) 新日程での御案内と予約・申込状況確認書を、これまでに受法申し込みなさっている方へ郵送しました。

6月18日(土) 新日程での御案内を、上記以外の会員の方へ郵送しました。

6月29日(水) 大阿闍梨トクデン・リンポチェ猊下と随行僧チュンペル師、成田空港へ御到着されました。

6月30日(木) 会員の皆様の御奉仕により、会場となるポタラ・カレッジ東京センターを浄化・荘厳しました。

7月2日(土)午後2時~6時 前行御法話「菩提道次第集義(ラムリム・ドゥートゥン)」
 宗祖ツォンカパ大師御自身がお説きになった三つの「ラムリム」のうち、一番簡潔な「集義」を教材とし、密教の門へ入るために不可欠な顕密共通の道について御法話を授けていただきました。
 ちなみに当日の配付資料は、ゲシェー・ソナム・ギャルツェン、藤田省吾共著『ラムリム伝授録Ⅱ』(ポタラ・カレッジ チベット仏教叢書1)の付篇です。

前行御法話


3日(日)午後2時~6時 十一面観音の大灌頂
 諸仏の慈悲を体現する本尊、十一面千手千眼観自在の大灌頂です。所作タントラ蓮華部に基づく、完全な灌頂として授けていただきました。

十一面千手千眼観自在


5日(火)午後6時~9時 不動明王の許可灌頂
 カダム派の流儀による、所作タントラの不動明王の許可灌頂です。併せて、「普賢行願賛」による七支分の解説もなさってくださいました。
 ちなみに配付した「普賢行願賛」の資料は、ゲシェー・ソナム・ギャルツェン、小野裕子共訳『パンチェン・ラマのラムリム』(ポタラ・カレッジ チベット仏教叢書5)の巻末付録です。

8日(金)午後6時~9時30分/9日(土)午後2時~7時/10日(日)午後2時~7時
グヒヤサマージャ(秘密集会)聖者流三十二尊の大灌頂 [ポタラ・カレッジ会員限定]

グヒヤサマージャ自灌頂

 あらゆる仏法の頂点に位置づけられる「グヒヤサマージャ」聖者流の、四灌頂を具足した完全な大灌頂です。「グヒヤサマージャ」は、最も高度な密教である無上瑜伽タントラの中でも究極の奥義なので、「全てのタントラの王」と呼ばれています。
 この灌頂を受法した後は、少なくとも「六座グルヨーガ」を、毎日昼と夜に必ず修行しなければなりません。

授記
大阿闍梨が宝座上に立ち、弟子の成仏を授記。


12日(火)午後6時~9時 「縁起賛(テンデル・トゥーパ)」の講伝
 「縁起賛」は、宗祖ツォンカパ大師によるお釈迦様の礼賛偈です。「縁起の法を説示なさった」という面を中心に、お釈迦様の功徳を称える内容で、仏教と縁起思想の素晴らしさを改めて認識させられる教えです。
 ちなみに配付資料の和訳は、ゲシェー・ソナム・ギャルツェン師と西村香さんによるものです。

13日(水)午後6時~9時 釈迦牟尼仏三三昧耶荘厳の許可灌頂
 仏教の教主お釈迦様の灌頂です。これは、「所作タントラの王」というべき、最も代表的な灌頂とされています。
※ 成就法を和訳しました。「牟尼三三昧耶荘厳」の灌頂・許可灌頂を受けている方は、復習にお役だてください。こちらです(未灌頂の方は、閲覧できません)。

牟尼三三昧耶荘厳


14日(木)午後6時~9時 摩利支天の許可灌頂
 所作タントラに基づく摩利支天の許可灌頂です。災厄消除に霊験あらたかだといいます。

16日(土)午前11時~午後6時/17日(日)午前11時~午後6時
グヒヤサマージャ(秘密集会)成就法伝授 [ポタラ・カレッジ会員限定]

阿閃金剛父母尊

 グヒヤサマージャの灌頂受者を対象に、聖者流三十二尊の生起次第の具体的な行法を伝授していただきました。
 成就法はクンタン・テンペー・ドゥンメ大師の「現観要集」、解説書はパンチェン・スーナム・タクパ大師の「智慧者の魅惑」に準拠。

18日(月)午前9時~10時30分 白ターラーの長寿灌頂
 白ターラーを本尊とする、長寿の霊験あらたかな灌頂です。一連の行事の中で、最も初心者向のものです。

白ターラー


20日(水) 大阿闍梨トクデン・リンポチェ猊下と随行僧チュンペル師、成田空港からインドへ御出発されました。


◎ トクデン・リンポチェ猊下による教えは、全てチベット語で行なわれ、ポタラ・カレッジ主任講師のクンチョック・シタル師が、日本語への通訳を担当しました。


十一面観音の自灌頂
密教の灌頂法儀を厳修するためには、事前の準備が数多くあります。特に大阿闍梨は、弟子へ灌頂を授けるに先だち、我生起の本敏瑜伽を行じ、自灌頂や瓶生起などを修法しなければいけません。そうした準備が全て整ってから、受者を会場へ迎え入れることになります。上の写真は、大阿闍梨が自らへ灌頂を授ける「自灌頂」の修法風景。


2.関連行事

1.ダライ・ラマ法王猊下御誕生日法要 7月6日(水)午後6時半~8時半
トクデン・リンポチェを大導師に、法王の御誕生日を祝い御長寿を祈願する法要を厳修。

2.ザムリン・チサン 7月15日(金)午前10時~正午頃
リンポチェを大導師に、この世界の護法善神へお香を供養する法会を厳修。

3.御法礼の上師供養 7月18日(月・祝)午前10時45分~正午
リンポチェへの御法礼として、上師供養のツォクを厳修しました。

上師供養の修法

4.謝恩パーティ 7月18日(月・祝)午後0時30分~2時30分
インド料理店るんびに(ポタラ・カレッジ第2会場すぐ近く)で、リンポチェを囲んで歓談のひとときをもちました。


3.大阿闍梨トクデン・リンポチェ猊下の略歴

 1944年、チベット東部のカム地方に生まれる。幼少時に転生活仏として認定され、仏教の基礎を学修。1952年、聖都ラサへ赴き、ゲルク派大本山デプン寺ロセルリン学堂に入門。先代リン・リンポチェ猊下(ダライ・ラマ法王の師僧)やデンマ・ロチュー・リンポチェ大師(ポタラ・カレッジ宗教・学術顧問)など、優れたラマたちから顕密の教えを受ける。1959年、ダライ・ラマ法王の後を追ってインドへ亡命。
 南インドに再建されたデプン寺ロセルリン学堂などで学修を継続し、1981年にゲシェー位を取得。ダライ・ラマ法王の意向を受け、ラダックやスピティなど、インド北部のヒマラヤ地方で教化活動に従事。北インドのダラムサラ山麓に再建された密教の最高学府ギュトゥー寺で、2003年から副僧院長と僧院長を歴任。2008年、デプン寺ロセルリン学堂の僧院長として晋山し、今日に至る。

【お知らせ】 無上瑜伽タントラ灌頂受者限定のページ(パスワード認証)を立ち上げました。まず手始めに、三大本尊の大灌頂を受けたら必ず修行しなければいけない「六座グルヨーガ」について、実修上の参考となる記事を掲載してあります。入口は、こちら

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