ポタラ・カレッジ齋藤保高の個人サイトです。チベット仏教の伝統教学について、質の高い情報を提供します。

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このページは、数日おきに更新します。
ブログのように、新しい記事を上に加えてゆきます。
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ポタラ・カレッジの近況報告や行事に関することなど、最新の情報を書きますから、是非頻繁にチェックしてみてください。

7月27日(木) 初転法輪法要

本日は、チベット暦の6月4日にあたります。この日は「チューコル・トゥーチェン」といい、お釈迦様が最初の説法をなさった御縁日とされています。
ポタラ・カレッジ東京センターでは、釈尊の偉業に随喜と感謝を捧げる法要を、午後7時45分から厳修します(7時30分開場)。
法要では、ゲシェー・ソナム師を導師に、「釈迦牟尼仏の礼賛偈」などを全員で読誦します。皆様お誘い合わせのうえ御参加ください(事前の参加申し込み、予約等は必要ありません)。なお、『チベット仏教常用経軌集』(ポタラ・カレッジ叢書3)をお持ちの方は、御持参ください。
※ 定期講習「ブッダパーリタ註の解説」は、午後7時30分までの授業となります。


7月10日(月) 夏季特講「仏教認識論の概要」

昨日の「ザムリン・チサン」、無事に終わりました。御参加くださった皆様、おつかれさまでした! 精進の功徳に随喜します。また、毎年お世話になっている清泰寺住職御夫妻に、心より感謝したいと思います。

ザムリン・チサン(清泰寺)


さて、例年海の日にポタラ・カレッジ東京センター実施している夏季特別講習、今年は「仏教認識論 ロリクの概要」というテーマで行ないます。担当は、ガワン・ウースン師。日時は、7月17日(月・祝)午前11時~午後5時です。
仏教論理学の枠組みで、心が対象を認識する基本的なパターンを学ぶ「ロリク」は、チベット仏教僧院教育の入門課程の一つとされています。今回は、直観認識(現量)と推論認識(比量)などを中心に、その概要を分かりやすく紹介します。ロリクは、瞑想する心の分析でもありますから、密教の修行の裏づけとしても役だちます。
詳しい情報は、ポタラ・カレッジ公式サイトの「特別講習・集中講座の御案内」を御覧ください。

6月21日(水) 法王御誕生日とザムリンチサン

7月6日(木)は、ダライ・ラマ十四世法王テンジン・ギャツォ猊下82歳の御誕生日です。
ポタラ・カレッジ東京センターでは、法王の御誕生日をお祝いして御長寿を祈願するため、当日の午後7時45分から9時15分頃まで法要を厳修します。

また、チベット暦の5月15日(今年の場合だと、新暦7月9日)は、「ザムリン・チサ ン」といい、この世界の護法善神にお香を供養する日です。当日は、埼玉県飯能市の山麓にある真言宗智山派清泰寺の境内で、午前10時半から香供の法要を厳修します。
※ なお、当日7月9日(日)の定期講習は、全クラス休講となります。

詳しい情報は、ポタラ・カレッジ公式サイトの「法要の御案内」を御覧ください。

6月14日(水) 片仮名で覚える仏典のチベット語

ポタラ・カレッジでは、4月下旬から定期講習「チベット語入門」を開講しましたが、そうした本格的な語学コースではなく、片仮名表記の仏典に特化して気軽に学べる短期の通信受講専用コースを7月から始めます。担当は、チベット語の指導に定評のあるガワン・ウースン先生です。日頃よくお誦えしている経軌を材料に、チベット語の意味や発音を分かりやすく説明します。
たとえば、「サンギェー・チュータン・ツォクキ・チョクナム・ラ」という一行のサンギェーは仏陀、チューは法・・・というように、正しい発音と意味を学んでゆきます。それにより、経軌で頻出する基本的な仏教用語を、片仮名で覚えることができます。そうすると、和訳も参照することで、片仮名表記されたチベット文が、とても身近なものになってくるでしょう。詳しくは、こちらを御覧ください。

6月 2日(金) 修習義の曼荼羅

ところで、前の記事で紹介した絵の注目すべき点の一つは、成就法の中で観想する修習義の立体的な曼荼羅が、けっこう正確に描き込まれているところです。
絵画としての見映えも考慮されていたり、そもそも描ける内容には限界があることに留意すべきだけれど、瞑想の参考にはなると思います。

修習義曼荼羅

ここからは、無上瑜伽タントラの灌頂を受けて成就法を学修している方向けの話です。
我生起を修習するプロセスでは、行者(=自分)はこうした楼閣の中心に居て、東(この絵では、白い階段のある側)を向いて座っていると観想します。
トルマ儀軌などで眼前生起するときは、まさにこの絵のように、東を正面にして楼閣を自分の目の前の少し上に観想します。
この絵では、結界は球形のイメージで、法源は逆三角形(下半分は雲の中に隠れている)を二枚合わせたようなイメージで描かれています。ちょうどその隙間に、楼閣が収まっているような形です。
金剛地や楼閣そのものに関しては、造形としての立体曼荼羅を拝観すれば瞑想の参考になるけれど、結界や法源の立体的な視覚イメージは、なかなか把握しにくいと思います。そういう意味で、これは貴重な参考資料だといえるでしょう。

5月31日(水) 五次第明灯の瑞相

早いもので、まもなく6月ですね。この時期は、「サカダワ」等の法要が続くけれど、まとまった休みで中断されることがないため、定期講習の学修に専念できる善い機会でもあると思います。
及ばずながら私が担当させていただいている密教の2コースも、「グヒヤサマージャ(秘密集会)二流儀成就法」が中有の報身、「五次第明灯」が定寂身の実修法ということで、両方とも大変重要な箇所に入っています。関連する典籍なども参照しながら、丁寧に説明を進めてゆきたいと思います。

このタンカは、宗祖ツォンカパ大師が『五次第明灯』を著述なさるにあたって体験された瑞相を、直弟子ケートゥプ大師による『秘密の伝記』の記述に沿って描いたものです(ギュトゥー寺の教科書として2014年に出版された校訂本の口絵より)。

五次第明灯口述時の瑞相

ごく簡単にまとめると、ツォンカパ大師の夢に、文殊金剛十九尊曼荼羅が現われて主尊から瓶水を授かり、またプトゥン大師から『グヒヤサマージャ根本タントラ』の経巻を頂戴する・・・という内容のようです。

話は変わりますが、私がチベット仏教を学び始めた頃とても親切に指導してくださった恩深い日本人の先輩が、わりと最近くださったお手紙の中で、「ゲルク派は、一般には顕教重視の宗派のように思われていますが、顕教はもちろんのこと、実は密教がすばらしいと私は思います」とおっしゃっていました。自分も、まさにそのとおりだと感じています。
この先輩はチベット語に堪能で、チベット仏教各派の教えや、日本仏教の伝統教学、さらに近代仏教学にも大変造詣の深い方です。本当によく分かっていらっしゃる方のコメントだけに、とても重みがあると思います。
密教の門へ入るためには、共通の道として顕教の内容をよく修練することが、絶対に欠かせません。それを当たり前の大前提としたうえでの話ですが、ツォンカパ大師の全集に親しめば親しむほど、大師の真意が密教、それも「グヒヤサマージャ」を中心とする無上瑜伽タントラにあることが、だんだんよく見えてきます。
私自身、そうしたツォンカパ大師の密教体系こそ、まさに自分が探し求めていた究極の仏法だということには、とても強い確信があります。なので、能力の面では甚だ心許ない限りですけれど、気持ちの面では決してブレることなく、この道を進んでゆきたいと思っています。

5月25日(木) 明日から「サカダワ」

「サカダワ」とはチベット暦4月のことで、お釈迦様に有縁の月とされ、功徳を積むのに大変よい機会と考えられています。今年の場合、新暦の5月26日から6月24日までがサカダワです。
サカダワの満月の日(チベット暦4月15日、今年の場合新暦6月9日)は、お釈迦様の誕生・成道・涅槃の御縁日とされています(誕生については、4月8日とする説もあります)。
ポタラ・カレッジ東京センターでは、その当日6月9日(金)午後7時45分から、ゲシェー・ソナム・ギャルツェン師が導師を勤めて「サカダワ法要」を厳修します。こちらを御覧ください。
なお、5月28日(日)の定例法要はお休みとなります。

5月16日(火) 春の密教伝授の記録ページ

大阿闍梨チャト・リンポチェ猊下をお招きしてポタラ・カレッジ東京センターで4月に実施した「2017年春の密教伝授」の保存版記録ページを、ポタラ・カレッジ公式サイトにアップしました。
こちらを御覧ください。

5月 3日(火・祝) 秘密集会曼荼羅の解説

前の記事にも書いたとおり、5月5日(金・祝)に、GW特別講習「グヒヤサマージャ(秘密集会)曼荼羅の解説」を担当させていただきます。聖者流とジュニャーナパーダ流を対比する形で説明する予定です。無上瑜伽タントラ灌頂受法者限定なので、一般向けではない本格的な行法の話をします。
実地に図像等を見ながら、具体的な観想内容を習得できるように目指したいと思います。密教の成就法の中でも、とりわけ曼荼羅に関することは、言葉の説明だけでは分かりにくいです。普段通信受講されている方の、いわゆるスクーリングの機会という意味あいもあります。
連休の貴重な時間を費やして受講なさる方々に、「参加してよかった」と少しでも感じてもらえるよう、努力したいと思います。

ギュトゥー寺の秘密集会立体曼荼羅

4月30日(日) 連休後半の特別講習

ポタラ・カレッジ東京センターのGW特別講習、「六座グルヨーガの解説」が昨日終わりましたが、連休後半には次の3つがあります。
 5/3(水・祝)白傘蓋仏母の成就法 クンチョック・シタル担当
 5/4(木・祝)文殊菩薩の成就法 ガワン・ウースン担当
 5/5(金・祝)秘密集会曼荼羅の解説 齋藤保高担当
時間は、いずれも午前11時~午後5時。
白傘蓋仏母と文殊菩薩の成就法は、通信受講も可能です。
私が担当する秘密集会曼荼羅は、実地に図像を指し示しながら説明するため、通信受講はできません。これは、普段「秘密集会二流儀成就法」コースを通信受講されている方に対するフォーローという意味も含んだ企画です。百パーセント通信受講だけで成就法を学ぶのは困難ですから、御都合のつく方は是非出席なさって欲しいと思います。
詳しくは、こちらを御覧ください。

4月23日(日) 訃報 第百三世ガンデン座主猊下

ゲルク派の現管長である第百三世ガンデン座主ロサン・テンジン猊下が、4月21日に御示寂の理趣をお見せになりました。
ロサン・テンジン猊下は、先代の第百二世ガンデン座主リゾン・リンポチェ猊下が7年間の任期を満了された後、2016年に第百三世ガンデン座主として晋山なさっています。

4月20日(木) チャト・リンポチェお見送り

17日の「グヒヤサマージャ(秘密集会)」根本タントラ、続タントラのルン(阿含の伝授)をもって、「ポタラ・カレッジ 2017年春の密教伝授」は、大変有意義な成果を残して全日程を終えました。これもひとえに、大阿闍梨チャト・リンポチェ猊下の多大な御恩と、受者の方々の真摯な御精進のお蔭です。
「一切タントラの王」たる『秘密集会』の大灌頂を、聖者流とジュニャーナパーダ流の両方で厳修し、さらに根本タントラ等のルンも実施できたのは、極めて画期的なことだと言えるでしょう。

昨日は、チャト・リンポチェ猊下御一行を、成田空港でお見送り致しました。リンポチェは、ギュトゥー寺僧院長という重責を終えられたので、今後は自由になるお時間が少し増えるかもしれません。近い将来、再び日本へいらっしゃり、貴重な教えの数々を授けていただくことができれば、とても素晴らしいと思います。

4月17日(月) 六座グルヨーガ

大阿闍梨チャト・リンポチェ猊下の密教伝授、「グヒヤサマージャ(秘密集会)」ジュニャーナパーダ流の大持灌頂も、お蔭様で昨日無事に成満しました。

御承知のとおり、前週の「秘密集会」聖者流大灌頂と今回のジュニャーナパーダ流大灌頂を受法された方は、「六座グルヨーガ」を毎昼夜に修行することが三昧耶(誓約事項)となっています。
宗祖ツォンカパ大師は、無上瑜伽タントラの修行のプロセスを、次のように明確に提示なさっています。

顕密共通の道の学修(ラムリムなど)→大灌頂→三昧耶と律儀の保持→聞と思による生起・究竟二次第の理解→生起次第の修習→究竟次第の修習

これらの中で「三昧耶と律儀の保持」の具体的な方法が、まさに「六座グルヨーガ」なのです。従って、これをきちんと修行していないと、その先の生起次第や究竟次第は全然成立し得ないわけです。

この「六座グルヨーガ」の行法指導を、ゲシェー・ソナム・ギャルツェン師の担当で、4月29日(土・祝)午後1時~6時にポタラ・カレッジ東京センターで実施します(通信受講も可)。
今回初めて「六座グルヨーガ」を修行する方はもちろん、要点を復習したいとお考えの方にもお奨めです。
詳しくは、こちらを御覧ください。

「六座グルヨーガ」の修行は、とにかく毎日毎日、ずっと続けることが大切です。最初のうちは、完璧に瞑想するのは難しいですから、少しづつ儀軌に慣れることを目指しましょう。厳しく考えすぎて些細な点にこだわると、毎日続けるのが難しくなってしまいかねません。
もし、実修上の疑問や困難が生じたら、いつでも相談に応じますから、遠慮なくお声をかけてください。

「六座グルヨーガ」と「三昧耶戒」については、本サイトの「無上瑜伽タントラ灌頂受者専用ページ」にも詳しい解説がありますから、よろしければ御活用なさってください。入口はこちらです。

また、拙著『チベット密教 修行の設計図』(春秋社)の第八章(pp.86-101)にも、「六座グルヨーガ」の結構踏み込んだ説明があります。

4月16日(日) ジュニャーナパーダ流曼荼羅

昨日の大灌頂準備行、受者の皆様お疲れ様でした。
本日の正行も、ともに精進しましょう!

秘密集会ジュニャーナパーダ流曼荼羅

写真は、大阿闍梨チャト・リンポチェ猊下が以前にお持ちくださったジュニャーナパーダ流十九尊曼荼羅です。
内陣の中央は主尊文殊金剛、東(画像では下)は大日、南(画像では向かって左)は宝生、西は無量光(阿弥陀)、北は不空成就、東南は仏眼母、南西はマーマキー、西北は白衣母、北東はターラー、外の東南角は色金剛女と地蔵の父母尊、南西角は声金剛女と金剛手の父母尊、西北角は香金剛女と虚空蔵の父母尊、北東角は味金剛女と世自在の父母尊、東門の北は触金剛女と除蓋障の父母尊、東門の南は法界金剛女と普賢の父母尊、東門は大威徳、南門は無能勝、西門は馬頭、北門は軍荼利です。
主尊と大日など四如来は自らと等しい母尊を伴い、仏眼母など四仏母は自らと等しい父尊を伴い、大威徳など四忿怒明王は自らと等しい忿怒母を伴っているので、十九尊とは19組の父母尊という意味になります。

ところで大阿闍梨のお話に、こうした曼荼羅の輪を観想すること自体が空性の修習になるという点を、宗祖ツォンカパ大師が『真言道次第広論(ガクリム・チェンモ)』第十二品でジュニャーナパーダ流の学僧たちの説を引用してお説きになっている・・・とありましたが、それの該当箇所は拙著『ツォンカパのチベット密教』第Ⅲ章pp.253-257です。

4月15日(土) ジュニャーナパーダ流大灌頂

本日と明日の二日間、いよいよグヒヤサマージャ(秘密集会)ジュニャーナパーダ流の大灌頂です!
今日のゲルク派密教で「グヒヤサマージャの大灌頂」といえば、ほとんどが聖者流ですから、今回ジュニャーナパーダ流で厳修されるのは、とても珍しい機会だといえます。
千年前にアティーシャ大師が御活躍なさった頃、インド後期密教の総本山ヴィクラマシーラ寺などで盛んに学修されていたジュニャーナパーダ流の伝統を、私たちも受け継ぐことができるのは大変に感慨深いことです。

秘密集会ジュニャーナパーダ流文殊金剛

写真は、ジュニャーナパーダ流グヒヤサマージャの本尊である文殊金剛(大阿闍梨チャト・リンポチェ猊下が御持参なさった画像です)。

4月10日(月) 秘密集会聖者流大灌頂成満

春の密教伝授のうち、グヒヤサマージャ(秘密集会)聖者流の大灌頂は、4月8日の準備行(タグン)、9日の正行(グーシ)とも無事に成満しました。

大阿闍梨チャト・リンポチェ猊下

当日は狭い場所に多勢の受者の方々が集まり、大変窮屈な状況で長時間御辛抱いただくことになりましたが、皆様の御協力のお蔭で法儀を円滑に進めることができました。受者各位の多大なる御精進の功徳に、心より随喜を捧げたいと思います。

今回は残念ながら、4月6日に予定していた前行御法話が中止になってしまいました。しかし、8日の準備行の前半では、仏教全体の枠組みを踏まえたうえで、密教一般や無上瑜伽タントラ、そして「秘密集会」の位置づけや特長を整理するという、大阿闍梨チャト・リンポチェ猊下ならではの簡潔で明快な解説をなさっていただき、とてもよかったと思います。

4月 6日(木) 灌頂で一番大切なこと

いよいよ今週末から、「ポタラ・カレッジ 2017春の密教伝授」が行なわれます。御承知のとおり、今回はグヒヤサマージャ(秘密集会)の大灌頂を、聖者流とジュニャーナパーダ流の両方で授けていただくという、滅多ない素晴らしい機会となります。

こうした大灌頂を受法するにあたって最も大切なのは、至極当たり前のことですが、三宝への帰依、そして菩提心です。
こうした点については、以前のブログでも再三書いていますが、重要なことですから昔の記事に若干手を加え、再掲しておきましょう。これは、私自身の自戒のためでもあります。

密教の灌頂や伝授では、「ラマと本尊は一心同体であり、それに仏法僧の三宝が集約されている」と信解し、真心から帰依することが大切です。
そして、「一切衆生のため、自分自身が仏陀の覚りを得よう」という菩提心を動機にして、灌頂や伝授を受けることが肝要です。
一番大事な要点は、実にこれだけです。

グヒヤサマージャのような深遠な密教を修行するには、仏教一般の巾広い知識や、特に中観の正しい理解が必要です。また、密教自体についても、学ぶべきことはたくさんあります。瞑想を実践するためには、精神集中力も欠かせません。
けれどもこれらは、灌頂を受けてから、いくらでも学修できます。特に精神集中力や瞑想技法などは、成就法の実践を通じて修練することが可能です。

帰依と菩提心もまた、灌頂を受けてから、さらにレベルアップしてゆく必要があります。
しかし、この両者が精神集中力などと決定的に異なるのは、「もし帰依と菩提心が全然なければ、その人にとって、灌頂自体が全く成立しない」という点です。たとえ伝授会場に座っていても、物理的に身体がその場に存在しただけにすぎず、本当の意味で灌頂を受けたことにはなりません。
ですから密教伝授に際して、とにかく帰依と菩提心だけは、何よりも重要視しなければいけないのです。

菩提心といっても、正真正銘の非作為的な菩提心を発するのは、そう簡単でありません。
そこまでは無理でも、まず菩提心についてよく学び、「自分も菩提心を発したい」という真摯な願望を抱き、そのうえでよく瞑想することが大切です。
例えば、「因果の七秘訣」などの瞑想を重ねることにより、作為的な菩提心を確立できるようになります。
大灌頂の法儀では、一日めの「受法の動機を正す」という次第で、ラマが菩提心のお話をなさるはずです。その内容を聴聞しながら、作為的な菩提心を確立できれば、それを動機にして大灌頂を受けられるわけです。
だから、これは非常に重要なプロセスです。私たち受者にとっては、今回の大灌頂のために作為的な菩提心を発する、いわば最後のチャンスなのです。もしこのとき、私が「どうせいつもの菩提心の話だ」などと軽く考えて受け流し、きちんと作為的菩提心を確立できなければ、私にとって今回の大灌頂は形ばかりのものとなってしまいます。
さて、こうして作為的な菩提心を発したら、それを動機にして大灌頂を受けることができるのですが、いつまでも作為的な菩提心のままでよいというわけではありません。灌頂を受けた後も菩提心のレベルアップに精進し、非作為的な菩提心を目指すべきです。これができたら、そのとき本当に密教の菩薩となるのです。

いま私たちは、仏教を修行できる境遇たる有暇具足を手中にし、それも単に仏教一般のみならず大乗仏教、その中でも密教、さらにその中でも無上瑜伽タントラの有暇具足に恵まれています。そして今回、「一切タントラの王」と位置づけられるグヒヤサマージャの大灌頂に入壇しようとしているのです。
これだけ稀有なる素晴らしい条件が揃っているのに、「発菩提心など無理だ」とか「菩薩行などとても出来ない」とか、そんなことを言っていられますか? 今やこれらは、出来るか出来ないかの問題ではありません。自分が実践するかしないかという、ただそれだけの問題なのです。

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