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7月23日(金・祝) 「チベット仏教の世界」

1箇月以上前に送っていただいた本ですが、バタバタしていて御紹介がすっかり遅くなってしまいました 💦
チベット仏教の世界』永沢哲 編著/法蔵館

2016年に出た『サンガジャパン』Vol.24「特集チベット仏教」の続編として企画され、出版社の倒産により版元が法蔵館へ変更されるなど、紆余曲折を経て日の目をみた本です。約900ページという大部な書物で、永沢先生をはじめ関係者の並々ならぬ御苦労と、多くの方々の協力が結実した、貴重な出版だと思います。前作同様ユニークで多彩なコンテンツなのですが、さらに踏み込んだ興味深い論考が多いように見受けられます。
自分もほんの少しだけ、ダライ・ラマ七世法王の「中観の見解の教え・四念住の歌」について、解説を書かせていただきました(pp.506-512)。この詩は、短い偈頌に顕教と密教の要訣が凝縮され、実践の指針とすべき奥深い教えだと思います。

7月 7日(水) 京都でラムリム講座開始

ポタラ・カレッジの主催ではありませんが、クンチョック・シタル師による「ラムリム」の講座が、7月24日(土)から京都で始まります。原則毎月第4土曜午後6時30分~8時、会場は寳幢寺(ほうどうじ;京都市上京区)、オンライン受講も可能だそうです。
チベット仏教の教理・実践体系を比較的簡潔にまとめたツォンカパ大師の『菩提道次第略論(ラムリム・チュンワ)』に基づき、仏教全般を基礎から解説します。
お問合せ・お申込みは、主催者の日本仏教徒協会へ直接お願いします。詳しくはこちらを御覧ください。

7月 1日(木) 夏季集中講座の予定

ポタラ・カレッジ東京センターの定期講習は、8月7日(土)~20日(金)の間、夏季休講となります。
7月の連休と8月の夏季休講期間中に、次のとおり夏季集中講座を予定しています。いずれも、春季・GW集中講座の続きの内容です。

1.「ロリク 仏教認識論入門 Ⅱ」ガワン・ウースン担当
 7月22日(木・祝)・23日(金・祝)午前11時~午後5時
 教室への出席・オンライン受講・通信受講(録音ダウンロード等)の3つを併用できます。

2.「マハームドラーの解説 Ⅲ」ゲシェー・ソナム・ギャルツェン担当
 8月7日(土)・8日(日)午後1時~6時
 オンライン受講・通信受講(録音ダウンロード等)の2つを併用できます。無上瑜伽タントラの大灌頂を受けている方が対象です。

3.「中観自立論証派と帰謬論証派 Ⅱ」クンチョック・シタル担当
 8月14日(土)・15日(日)午前11時~午後5時
 教室への出席・オンライン受講・通信受講(録音ダウンロード等)の3つを併用できます。

受講のお申し込みは、公式サイト「特別講習・集中講座」のページにその科目が掲載されてからの受け付けとなります。

6月29日(火) 法王誕生日と初転法輪のオンライン法要

ポタラ・カレッジでは、7月6日(火)午後7時45分から、「ダライ・ラマ法王 御誕生日慶祝・御長寿祈願法要」をオンラインで行ないます。
 また7月14日(水)午後7時45分から、「釈尊 初転法輪御縁日法要」をオンラインで厳修します。
 いずれも、パソコン等により、Zoomを通じて御参加いただくことになります。ポタラ・カレッジにいらして、直接参加なさることはできませんので、御注意ください。詳しくは、公式サイトこちらのページを御覧ください。

6月23日(水) 北村コレクション展

前の記事で御紹介した佛教大学宗教文化ミュージアム京都市右京区嵯峨広沢西裏町5-26)の企画展「もっとみせて!北村コレクション」を、先週木曜(6月17日)に拝観してきました。
2019年の暮れに「秘密集会立体曼荼羅」の内部を見学させていただいて(こちらを参照)以来、1年半ぶりの訪問です。
ミュージアムでは、北村太道先生と中島小乃美先生(佛教大学教授)から、数々の貴重なお話を伺っているうちに、時間がたつのも忘れてしまうほどでした。両先生と、ミュージアムの先生方の御親切に、心より感謝したいと思います。

2021北村コレクション展図録

上は今回の展示の図録です。開催が急に決まったそうですが、短い準備期間にもかかわらず、学芸員の熊谷貴史先生たちの御尽力で、立派な図録が出来あがっています。
表紙にある写真は、ギュトゥー寺の流儀による毘沙門天立体曼荼羅。展示室で実物を拝観できます。
仏像では、十一面観音と毘沙門天が、とりわけ印象的です。
その他、三大本尊の精巧な所描曼荼羅、ギュメー寺砂曼荼羅の主尊区画、護摩修法の手引き図や法具など、大変勉強になる内容が目白押しでした。
今回の展示は、2019年に出品されなかったものばかりで、「北村コレクション」の奥の深さを実感させられる、素晴らしい企画だったと思います。

7月18日(日)まで(日曜・祝日は休館、但し最終日は開館)、午前10時~午後5時30分(入館は5時まで)。新型コロナ対策もしっかりしているし、「密」な状況になるような場所ではないので、機会があれば是非お奨めです!
詳しくは、宗教文化ミュージアムのの公式サイトを。

6月 4日(金) 図書紹介・チベット密教儀礼の研究

春に御恵贈いただいたのですが、ちょうどポタラ・カレッジの仕事が異常に忙しい時期に重なり、すっかり御紹介が遅くなってしまいました(汗)。チベット密教研究の第一人者である北村太道先生(種智院大学名誉教授)の、起心書房からの最新刊です。

北村太道 著『チベット密教儀礼の研究起心書房 ISBN978-4-907022-21-1
 
今回は、密教経軌の和訳・解説ではなく、僧院に於ける実際の修法の記録を整理した内容で、北村先生でなければなし得ない大変貴重な研究成果だと言えます。
ゲルク派に於て、最高格式の密教の僧院は、ギュメー寺とギュトゥー寺です。インドの亡命チベット人社会に再建されたギュメー寺とギュトゥー寺の、本格的な堂塔伽藍の建立は、北村先生が中心となって日本で施主を募って実現したものです。

本書の内容は、曼荼羅の作壇、灌頂の法儀、護摩の修法、及び密教法具という4章構成で、それぞれに秘密集会、チャクラサンヴァラ、ヤマーンタカの三大本尊を中心とした実修の記録が整理して収録されています。それも、ギュメー寺やギュトゥー寺に於けるものが大半で、ゲルク派密教の核心部について、最も由緒正しい修法の在り方を確認できるようになっています。写真や図像も豊富に挿入され、複雑な修法を視覚的にも理解しやすいよう、配慮が行き届いた本作りがなされています。チベット密教を本格的に学び実修したい方には、まさに必携の一冊です。詳しくは、起心書房のホームページを御覧ください(こちらです)。

チベット密教儀礼の研究


ところで、本書にも収録されている密教法具をはじめ、チベット仏教の貴重な仏像、仏画、曼荼羅などを集めた「北村コレクション」の展示が、京都の佛教大学 宗教文化ミュージアムで、間もなく開催されます(6/5~7/18;日曜・祝日は休館)。
同ミュージアムでは、2019年10月~12月にも「北村コレクション」の展示が行なわれましたが、今回はそのとき出品しなかった内容だそうです。題して「もっとみせて!北村コレクション」。私自身も、日程はまだ分かりませんけれど、お伺いして拝観させていただく予定です。詳しくは宗教文化ミュージアムのサイトを御覧ください(こちらです)。

併せて、出版社から御恵贈いただいたもう一冊。起心書房の安元剛社長自身による詩文集『虚空の歌』。
インド-チベット系を中心とする仏教研究書の版元として、今やとても貴重な存在となっている起心書房ですが、その特色ある出版活動を続けてゆく想いの根源を綴った内容。詳しくは、起心書房のサイトを。

5月27日(木) ポタラ公式サイトの一時停止について

本日午後8時から11時頃まで、サーバー緊急メンテナンスのため、ポタラ・カレッジ公式サイトと公式メールアカウントが使用できなくなるそうです。
その時間帯には、ポタラへなるべくメールを送らないようにして、もし送信した場合は、公式サイト復旧後に念のため再度送っていただければと思います。御不便をおかけしますが、よろしくお願い致します。

5月12日(水) サカダワ入り

今日からサカダワ入りですね。「サカダワ」とはチベット暦4月のことで、お釈迦様に有縁の月とされ、功徳を積むのに大変よい機会と考えられています。今年の場合、新暦の5月12日から6月10日までがサカダワです。
サカダワの満月の日(チベット暦4月15日、今年の場合新暦5月26日)は、お釈迦様の誕生・成道・涅槃の御縁日とされています(誕生については、4月8日とする説もあります)。
ポタラ・カレッジでは、その満月の夜に「サカダワ法要」をオンラインで厳修します。どなたでも御参加いただけます(事前の参加申し込みは必要ありません)。
導師:ゲシェー・ソナム・ギャルツェン
日時:5月26日(水)午後7時45分~9時15分頃
費用:無料
参加方法:パソコン等により、Zoomを通じて御参加いただくことになります(ポタラ・カレッジにいらして、直接参加なさることはできませんので、御注意ください)。
詳しくは、こちらのページを御覧ください。

4月21日(水) ゲン・ゲドゥン大阿闍梨 御示寂

ギュトゥー寺の大長老、ゲン・ゲドゥン・ツェリン師が御示寂されました。
3月10日に御遷化の理趣をお示しになり、それより4月16日に至るまで、37日間にわたりトゥクタムの三昧に留まられたそうです。そして4月19日、荼毘に付されたとのことです。
トゥクタムとは、無上瑜伽タントラの熟練した瑜伽行者が、医学的に臨終と診断された後、死の光明を現前している状態であり、その間は体温などが保持されるといいます(チベット亡命政権ニュースサイトの訃報はこちら、英語版はこちらです)。

大阿闍梨ゲン・ゲドゥン・ツェリン師


非常に畏れ多いことですが、ゲン・ゲドゥン・ツェリン師は、私自身の恩師でもあります。2012年にダラムサラ山麓のギュトゥー寺を初めて訪ねたとき、「このお方が、あなたの善知識だ」と紹介していただいたのが、ゲン・ゲドゥン大阿闍梨です(詳細はこちらを御覧ください)。それ以来、ヤマーンタカ 一尊の自灌頂儀軌、グヒヤサマージャの親近行法、チャクラサンヴァラの成就法広本など、貴重な教えの数々を伝授していただくことになりました。まことに勿体なく、有難い御縁だとしか言いようがありません。上のお写真は、最後にお目にかかった2017年8月に、御自房で撮らせていた御影です(詳しくはこちらを御覧ください)。

ゲン・ゲドゥン師は、三大本山でゲシェー位を取得してからギュトゥー寺へ入った方ではなく、長年にわたりギュトゥーで修行を積んでガクラムパ(密教学博士)の称号を得たラマです。「ギュトゥーの流儀を習うなら、このラマしか居ない」とチャト・リンポチェ猊下もおっしゃるほどの事相の大家で、山内の(とりわけ生え抜きの)僧侶たちからは大先達として慕われていますが、一般にはあまり広く知られていません。地位や経歴に関係なく、一介の僧侶として御生涯を送られる方の中にも、本当に凄い密教行者がいらっしゃるのだと、改めてつくづく思います。

4月 5日(月) 春からの定期講習の御案内

お待たせしました! ポタラ・カレッジ公式サイトに、新しい定期講習の御案内ページをアップしました。こちらです。
昨秋から始めて御好評をいただいているオンライン講義を、今期も大半の科目で実施します。教室への出席、オンライン受講、通信受講という3つのやり方を、受講者の方がそのときの御都合に応じ、自由に組み合わせて活用できます。とても便利なシステムです。

東京センターは、4月19日(月)より順次始まります。新規開講は、次の7科目です。それ以外のクラスは、3月までの内容の継続となります。

1.瞑想教室 心の修行 日曜午後3時15分~4時45分 ゲシェー・ソナム・ギャルツェン担当
 菩薩の利他心を育む心の訓練、ロジョンの瞑想を実践指導します。初心者の方にもお奨め!

2.ツォンカパ 中論註 土曜午後6時45分~8時15分 ゲシェー・ソナム・ギャルツェン担当
 ツォンカパ大師の『中論註・正理の海』を、ルンの伝授とともに解説します。

3.ナーガールジュナ 広破論」 木曜午後6時30分~8時 クンチョック・シタル担当
 龍樹の中観六論書の一つである『広破(ヴァイダルヤ)論』を読み解きます。

4.死者浄化儀軌の解説 土曜午前11時~12時30分 クンチョック・シタル担当
 チベットの葬送儀礼について学びます。

5.チベット語入門 日曜午後1時30分~3時 ガワン・ウースン担当
 まったく初めての方を対象とする入門コースを、4年ぶりに開講します。チベット語を学びたいと考えていた方には、とてもよい機会です!

6.金剛般若経 通信受講専用コース ガワン・ウースン担当
 チベット仏教でとても重視されている「般若経」の教えに親しんでゆくためのコースです。

7.文殊ナーマサンギーティ 通信受講専用コース ガワン・ウースン担当
 ツォンカパ大師が日常の勤行にしていたという「文殊ナーマサンギーティ(名等誦)」を、ヴィマラミトラの註釈に基づいて解説します。

京都教室旧・大阪教室)は、「前行・グルヨーガ」午後2時~4時が新規開講となります。午前のクラスは、今までの継続です。

新型コロナの流行が収束せず、いろいろな意味で苦難の日々が続いておりますが、本当はこのような時期にこそ、仏教を学び実践するならば、より大きな功徳が得られることになります。なぜかというと、仏教の出発点となる「苦諦(苦しみの真理)」を体験的に受け入れやすい状況だからです。お釈迦様は、生老病死の苦を正しく認識すべきことをお説きになり、それを根本的に完全解決する道として仏教の教理・実践体系を提示なさったのです。それゆえ、現在の困難な状況を修行の道に転じ、教えの要点となる出離や菩提心に思いを深め、自利・利他円満を目指して精進してゆくことが大切だといえます。

4月 2日(金) チベット語入門コース開講

4月下旬から始まるポタラ・カレッジ定期講習で、4年ぶりに「チベット語入門」を開講します。ガワン・ウースン師の担当で、毎週日曜午後1時30分~3時。初回は4月25日(日)です。今回は、オンラインでも受講できます

このコースは、初めてチベット語を学ぶ方が対象です。チベット語を勉強すると、仏教の様々な聖典を読めるし、ラマの説法を聴いたり、僧侶たちと会話することもできるなど、多くのメリットがあります。
ダライ・ラマ法王も、チベット語は仏教を学修するのに最適の言語だと強調なさっています(こちらで、映像を御覧になれます)。
ポタラ・カレッジ定期講習のチベット語コースは、経験豊富なネイティブの講師が、チベットの伝統的な方法に則して懇切丁寧に指導します。そのため、大学等に於けるアカデミックな語学学習と比べ、実践的な応用力を身につけられます。また、仏教と関連づけながらチベット語を学べる点も大きな特色です。

チベット語入門コースのテキスト

最初の半年間では、チベット文字の読み方と、簡単な会話を習得します。これだけでも、チベット文の経軌などを音読できるようになるし、瞑想の中で観想する種字などについての理解も深まります。
上の写真は、ポタラ・カレッジのオリジナル・テキストです。今回は、ガワン先生と会員の方の協力で内容を見直し、新しい改訂版が出来あがりました。

最近は仏教の講習が数多くあるため、チベット語入門コースを開講するのは、数年に一度ぐらいが精一杯です。今回はとても良いチャンスなので、是非受講を御検討ください。

4月 1日(木) 春季集中講座

ポタラ・カレッジの春季集中講座として、今週末に行なわれるゲシェー・ソナム・ギャルツェン師による「マハームドラー(大印契)の解説Ⅰ」(無上瑜伽タントラ大灌頂の受法者限定)のほか、来週末からゴールデンウィークにかけて次の2つを実施します。いずれも、教室への出席、オンライン受講、通信受講の3つを、御都合に合わせて自由に併用できます。

春季集中講座2 中観自立論証派と帰謬論証派
クンチョック・シタル師担当。4月10日(土)、11日(日)、29日(木・祝)。三日間とも午前11時~午後5時。
チベット仏教の実践を裏づける思想哲学は、中観派の見解が中心となりますが、その中でも自立論証派と帰謬論証派の間で微妙な差異があります。今回の集中講座では、ゲルク派有数の碩学チャンキャ・ルルペー・ドルジェの『宗義解説』を紐解きながら、両派の見解の落差にスポットを当てます(関連する話題はこちら)。

春季集中講座3 ロリク 仏教認識論入門
ガワン・ウースン師担当。4月17日(土)、18日(日)、5月3日(月・祝)。三日間とも午前11時~午後5時。
仏教論理学の枠組みで、認識主体たる心の分析は一つの重要分野となっており、チベットの僧院教育では、そうした認識論の入門として「ロリク」という課程が設けられています。止観の実践理論としても重要な現量と比量の区別や細分類など、興味深い内容の数々を学べます。

この2つは、どなたでも御参加いただけます(要申込)。詳しくは、公式サイトのこちらのページを御覧ください。

3月30日(火) 今期の定期講習終了

ポタラ・カレッジの定期講習は、明日で今期が終了します。私自身が担当している科目は、一昨日で2つとも終わりました。
土曜の「五次第明灯」は、義の光明がほとんど済み、来期(4/24~)は有学双運へ入ります。「ヤマーンタカ」は、成就法広本が全部終わり、来期(4/25~)は親近行に於けるゲクトルや護摩の儀軌を学んでゆきます。両方とも、すごく面白い内容だし、とても楽しみです。

それはそうと、こうやって1つの期の講義が終了した後は、来期の案内や山積している事務などで、かえって忙しくなります(特に今年は><
日曜の講義が終わった午後のフライトで、何もかも忘れてリゾートへ一足飛び・・なんてこと、一度でもやってみたいものです ^^;

3月22日(月) チャンパ・リンポチェ十年めの御縁日

本日は、大阿闍梨チャンパ・リンポチェ師が御示寂の理趣をお示しになってから、ちょうど10年めにあたる日です。チャンパ・リンホチェ師は、ポタラ・カレッジにとっても、私個人にとっても、特別に恩深い根本ラマです。

大阿闍梨チャンパ・リンポチェ師と

御示寂の約半年前、2010年10月に、私は南インドの大本山デプン寺を訪れ、リンポチェの御自坊で指導を受けながら「ヤマーンタカ 一尊」の親近行を実修させていただきました(詳しくは、こちらを御覧ください)。必要な修行が全て終わり、御自坊からおいとまする際に撮らせていただいたのが、この写真です。
御縁日にあたって、大恩師のもとで学修させていただいたときの初心を顧み、これからも精進してゆきたいと思います。

3月18日(木) 教室での講義を全面再開

本日より、ポタラ・カレッジの定期講習は、教室での講義を全面再開します。
受講者の方々は、今までどおりオンライン受講と通信受講も自由に併用できますから、各自の状況に合わせて御利用いただければと思います。結果として、無人の教室で講義を行なうことになっても、こちらとしては一向に構いませんから、御自分の希望どおりのやり方で、無理なく学修を続けて欲しいです。

2月17日(水) 祈願大祭のオンライン法話&法要

チベット暦の1月15日(今年の場合、新暦の2月27日)は「チョトゥル・トゥーチェン」といい、お釈迦様が神変により諸魔を降した日とされています。チベット仏教の伝統では、その日へ向けて1週間ぐらい前から、「祈願大祭(ムンラム・チェンモ」が大々的に挙行されます。
ポタラ・カレッジでは、この祈願大祭の一環として、2月23日(火・祝)午後3時からオンライン法話「利他心の訓練」ゲシェー・ソナム・ギャルツェン師担当)、及び同日午後4時からオンライン法要を実施します。どなたでも自由に御参加いただけます。詳しくは公式サイトを御覧ください。

2月12日(金) チベット暦正月

༄༄།། ནམ་ལོ་གསར་ལ་བཀྲིས་བདེ་ལེགས་ཞུ །།

本日は、チベット暦2148年の元日です。
今年は、旧正月とも一致しましたね。
新年「ロサル」を迎え、チベットの人々が平和で幸福な生活を送れるよう、心からお祈り致します。

2月 7日(日) 無上瑜伽でないと成仏できない?

昨日はオンラインで、ポタラ・カレッジ定期講習「五次第明灯の講読」をやりました。先週は録音するのを忘れ、同じ内容を2回話すハメになってしまったのですが、今回は大丈夫でした ^^;

ところで、今この講習では、非常に興味深い内容を取り扱っています。まず一般論として、波羅蜜乗(大乗の顕教)では、修行者が無数の劫を経て仏陀の覚りを得るといいます。物凄い時間を要するにしても、最終的には仏陀の境地へ到達するわけです。そこでもし、「波羅蜜乗では、仏陀の覚りを得られない」と言ってしまえば、大変な誤りになります。なぜなら、「衆生のために仏陀の覚りを得よう」という菩提心の枠組み、つまり大乗仏教の根幹を否定することになるからです。
ところが一方、無上瑜伽タントラでは、「波羅蜜乗の道を修行していても、最終的には無上瑜伽タントラの道へ入らない限り、仏陀の境地には到達できない」と説かれています。そうすると、大乗の顕教では、仏陀の覚りを得られないのでしょうか?
この二つのことを矛盾なく整理するような内容を、今やっています。もし前提なしに何でも勝手に言えるのなら、例えば「顕教と密教とでは、仏陀という言葉の意味内容が異なる」などと答えることもできるでしょう。しかし、宗祖ツォンカパ大師は、『真言道次第広論』第一品などで、そうした考えを明確に否定し、「波羅蜜乗でも密教でも、最終的に到達する仏陀の境地は同じ」と強調しています。それゆえ、「ゲルク派の伝統教学に於て」という前提で考察するなら、これはけっこう難題になります。でも、よくよく考えてみるだけの価値があるテーマです。顕教と密教の修道の仕組みや、無上瑜伽タントラの様々な行法の意味を理解するのに、とても役だつと思います。
一つのヒントは、「五次第明灯の講読」でちょうど今やっている科範が「その次第(義の光明)が他の道(波羅蜜乗など)の最後にも出て来る在り方 རིམ་པ་དེ་ལམ་གཞན་གྱི་མཐར་ཡང་འོང་ཚུལ་」というタイトルなのですが、この表現の微妙なニュアンスにあるかもしれません。

1月 8日(金) 緊急事態宣言への対応

御承知のとおり、本日から、首都圏で緊急事態宣言が再び発出されることになりました。
講師間で協議した結果、ポタラ・カレッジ定期講習の取り扱いは、昨年の春や夏のように全科目で完全通信受講方式とするのではなく、各科目で各回毎に対応することと致します。これは、教室での講義を取りやめたとしても、オンライン講義はなるべく維持することを目指したやり方です。
具体的な情報は、公式サイト「新型コロナ対策」のページに一括掲載する(こちらです)とともに、個別には「オンライン講義の御案内」メールでその都度お知らせします。

ポタラ・カレッジの講師陣は、全員元気です。御安心ください。
前にも書いたように、いろいろな方法を試しながら、コロナの状況がどのようになっても、仏教を学修できる機会を守っていきたいと思います。

2021年1月1日(金・祝) 謹賀新年

あけましておめでとうございます

今年もどうか、よろしくお願い申し上げます。


MacLeod Ganj, Dharamsala
写真は、インド北部ダラムサラ、ダライ・ラマ法王仮宮殿の近くにて。2015年8月。

2020年12月31日(木) 善いお年を!

あっと言う間に大晦日ですね。毎年そんなことを言っていますが、今年は前代未聞の強烈さで実感させられました(汗)
立場こそ異なれど、多くの人々が新型コロナへの対応に明け暮れた一年だったと思います。
ポタラ・カレッジは、会員・受講者の方々から物心両面で助けられ、チベット仏教を学び実践する活動を、何とか守ることができました。本当に有難いことです! 心より篤くお礼を申し上げます。
緊急事態宣言の頃、全科目通信受講方式で講義を再開したとき、私は思わず「今の受講者の皆さんのように、勉強や修行に熱心な方々と一緒にこの危機を迎えられたのは、本当によかった。まさに不幸中の幸いです」と言いましたが、その気持ちは現在も全く変わりません。

秋から本格始動したオンライン講義は、遠方にいらっしゃる方々も積極的に御参加くださるという嬉しい流れになったので、コロナ収束後も続けたいと考えています。
もちろん、教室での講義が活動の根幹となる点は変わらないので、東京センターの場所は、今後も頑張って維持していきます。都内のど真ん中に、心やすらぐ「チベット仏教空間」が存在するのは、とても貴重なことですからね。
来年も、教室・オンライン・録音の3つを自由に併用できるシステムを充実させ、後から顧みたときに、災い転じて福となす実例として語れるようにしたいものです。

このように、定期講習の維持・継続を最優先としつつ、集中講座などもオンラインを交えて再開に漕ぎ着けられましたが、団体としての諸事務などは滞ったままで、会員の皆様には御不便をおかけ致しております。まことに申し訳ありません。
東京センターの事務機器等は、前から老朽化したものを騙し騙し使っていたのですが、一定期間使用せずに放置したことで、故障や不具合が次々と表面化してしまいました。さらにビルメンテナンス上の問題も発生するなど、余計なことに対応せざるを得ない日々が続き、ただでさえ遅れていた事務がますます停滞する結果となっております。
でも、これらはいずれ解決することなので、本質的な問題ではありません。こういう機会だから、様々な事柄に見直しを加え、ポタラ・カレッジとして本当に大切な目的に集中していけるようにしたいと考えています。

ポタラ・カレッジの主催行事以外では、総本山善通寺の公開講座が、5月だけは延期になったものの、2月・8月・12月と年3回実現できて、とても素晴らしかったと思います。
こうした交流の成果を積極的に生かし、さらなる活動を展開していけば、仏教全体にとって有意義な流れになるのではないかと思います。関係する方々の熱意と御努力に、心から尊敬と感謝を捧げたいです。

この一年間、本サイトを御覧くださり、ありがとうございました。来年は、コロナの状況がどうであれ、善い年にしていきましょう!
くれぐれもお体を大切になさり、すがすがしい気持ちで新年をお迎えください ^^

12月30日(水) 1月3日に新年オンライン法要

2021年のお正月1月3日に、「新年法要」をオンラインで厳修します。時間は、午後3時から4時頃までを予定しています。
『チベット仏教常用経軌集』などを読誦する導師の映像と音声を、ポタラ・カレッジ東京センターから同時配信するやり方です。どなたでも御視聴いただけます。具体的なことは、公式サイトこちらのページを御覧ください。

12月21日(月) 善通寺のアルバム

早くも12月下旬ですね; ポタラ・カレッジで私が担当している定期講習2科目も、昨日までで年内の講義を終了しました。
土曜の「五次第明灯」は、義の光明の科範に取り組んでいるところです。ツォンカパ大師の解説は非常に明快で、まさに目から鱗の連続! やはり無上瑜伽タントラの二次第は、光明と幻身を正しく理解してこそ、初めて全体の仕組みをきちんと把握できるのだと、強く実感させられます。
日曜の「ヤマーンタカ 一尊の成就法と親近行」は、成就法広本の結行次第で、ダライ・ラマ2世の願文をギュトゥー寺の註釈書で紐解いています。これから、究竟次第の内容へ入るところです。ダライ・ラマ2世も明言なさっていますが、「ヤマーンタカ」の究竟次第である「四瑜伽」には、「五次第」の要点が丸ごと組み込まれています。それゆえ、「五次第」をよく学んで「四瑜伽」を実修するというスタンスが可能になるわけです。

さて、もう10日ぐらい前になりますが、12月9日(水)と10日(木)の両日、総本山善通寺(香川県)で公開講座(第六回)を担当させていただきました。今回は、菩提心、ロジョン、出離などがテーマです。
2日めの講義が終わってから、善通寺御影堂の裏手にある香色山(こうしきさん)へ登拝してきました。この山は、御影堂の秘仏本尊「瞬目(めひき)大師」にまつわる寺伝で、お釈迦様が現われた場所とされています。登山道からは、善通寺の堂塔伽藍を一望に見渡せ、頂上には弘法大師の祖先が祀られています。
今回の訪問では、いろいろ興味深い写真も撮れたので、facebookのアルバムにまとめてみました。よかったら、お時間のあるときにでも御覧ください。こちらです(ログインしなくても見られます。それぞれの写真をクリックすると拡大され、説明も表示されます)。


総本山善通寺 大玄関

写真は、総本山善通寺の大玄関。左の建物は、宿坊「いろは会館」。ここの3F大広間が公開講座の会場となっています。バックの山が香色山、ちょうど紅葉が見頃でした。

12月15日(水) 年末年始の休講

ポタラ・カレッジ東京センターへの定期講習は、12月26日(土)から年明け1月8日(金)まで、年末年始の休講となります。

その間で、1月3日(日)には、「新年オンライン法要」を厳修します。時間は、午後3時から4時までを予定しております。これについては、公式サイトで、後ほど詳しく御案内します。

なお2021年の年賀はがきは、新型コロナの影響で事務作業が滞っている状況もあり、まことに恐れ入りますが、ポタラ・カレッジからの差し出しは控えさせていただきたいと思います。

11月30日(月) ツォンカパ大師御縁日 オンライン法要

1箇月半も更新をサボってしまい、大変恐縮です(汗)
秋からの定期講習が始まり、全科目について、オンライン講義の設定と御案内、録音のアップロードとダウンロード御案内を行なうのは、それだけで相当な事務量があって大変ですが、少しづつ慣れて余裕が出てくればいいなと、淡い期待を抱いているところであります ^^

さて、チベット暦の10月25日(今年の場合、新暦の12月10日)は、「ガンデン・ガチュー」といい、宗祖ツォンカパ大師の御縁日です。
例年ポタラ・カレッジでは、東京センターで「ガンデン・ガチュー法要」を厳修しておりますが、今年は新型コロナが収束しないため、オンラインのみで実施することになりました。
日時は、12月10日(木)午後6時30分~8時頃。導師は、ゲシェー・ソナム・ギャルツェン師です。
「上師供養儀軌」などを修法する導師の映像と音声を、Zoomで同時配信するやり方です。それを視聴しながら、できれば儀軌を一緒に読誦するか、内容を瞑想していただければと思います。
具体的なことは、こちらを御覧ください。

私自身は、12月9日(水)と10日(木)に、総本山善通寺の公開講座を担当させていただくことになっています。なので、当日法要には参加できません。
オンライン法要は初めての試みだから、ちょっと心配があるけれど、定期講習と同じ流れで、まあ大丈夫だろうな・・・と思いたいですね ^^;

10月13日(火) 定期講習の案内発送

昨日、秋からの定期講習の簡単な御案内と申込書を、ポタラ・カレッジ会員の方々へ郵送しました。
インターネットの方が詳しいので、出来れば公式サイト定期講習御案内ページを参照なさってください。そのページの中で、受講申し込みができます。また、メール(info@potala.jp)でもお申し込みできます。いずれか一つの方法でお申し込みくださればよいので、重複して御提出いただく必要はありません。

10月 6日(火) 秋からの定期講習御案内

ポタラ・カレッジ公式サイトに、この秋開講する定期講習の御案内ページ''が出来ました。こちらです。
今期から、オンライン受講が正式にスタートします。教室への出席、オンライン受講、通信受講という3つのやり方を、受講者の方がそのときの御都合に応じ、自由に組み合わせて活用できる態勢が整いました。

東京センターは、10月19日(月)より順次始まります。新規開講は、次の5科目です。それ以外のクラスは、9月までの内容の継続となります。

1.般若心経 日曜午後1時30分~3時 ガワン・ウースン担当
 チベットの『般若心経』を読み進めながら、仏教の基本を分かりやすく解説します。

2.前行道場 六加行法 日曜午後5時~6時30分 ゲシェー・ソナム・ギャルツェン担当
 集会図の観想や七支分の修行を中心とする入門的な実践法を指導します。

3.ロジョン 心の訓練 通信受講専用コース クンチョック・シタル担当
 カダム派のゲシェー・チェカワによる『ロジョン・トゥンドゥンマ』を読み解きながら、利己的な心を菩薩の利他心へ転換していく実践修行を平易に解説。

4.密教戒の根本罪 通信受講専用コース ガワン・ウースン担当
 サキャ派のタクパ・ギェルツェン大師による解説書をもとに、三昧耶戒の十四根本罪などについて説明します。9月までの「師事法五十頌」に関連する内容。

5.チベット語 応用 土曜午後3時15分~4時45分 ガワン・ウースン担当
 ゲルク派大本山ラプラン・タシーキル寺の大学僧クンタン・テンペー・ドゥンメによる『水樹論』を教材に、宗教や文化に関するチベット語の表現を学びます。

大阪教室は、「前行・金剛薩埵」午後2時~4時が新規開講となります。午前のクラスは、今までの継続です。

10月 1日(木) ポタラ・カレッジ 秋の集中講座

新型コロナのためしばらく実施できないでいた集中講座を、10月中旬に2つ開催します。教室は出来るだけ感染防止対策を行ない、定員14名厳守で、申込フォームかメールによる予約制となります。ほかに、教室での講義を同時配信するオンライン受講、録音を後から提供する通信受講も可能です。
 10月10日(土)・11日(日)の二日間は、ガワン・ウースン師担当の「四聖諦の解説」、10月17日(土)・18日(日)の二日間は、クンチョック・シタル師担当の「止観の瞑想」です。詳しくは、こちらのページを御覧ください。

9月30日(水) 今期の定期講習終了

あっという間に、9月も終わりですね(汗)

ポタラ・カレッジの定期講習も、今期は本日までとなっています。新型コロナのせいで開講が約1箇月遅れ、開講から6月中旬までと、7月中旬~8月末に全面通信講義化を余儀なくされるなど、困難に満ちた学期でした。
そんな逆境でも、受講者の方々が熱心に学修を続けてきたのは、本当に素晴らしいことだと思います。困難に直面しながらも仏道修行に精進すれば、より大きな功徳を積めるといいます。受講者の皆様の努力に、心より敬意と随喜を捧げます。

私自身の担当している2コースは、27日(日)までで今期分を終了しました。
土曜の「五次第明灯」は、楽現等覚次第(光明)に入ったところです。1年前の9月末に自加持次第(幻身)へ入ったので、幻身関係の解説に丸1年を要したことになります。『五次第明灯』の光明の科範には、聖者流究竟次第の本当の意味を掴み取るのに役だつ、極めて重要な教えが散りばめられています。来期、そこを読み進めてゆくのが、今からとても楽しみです!
日曜の「ヤマーンタカ 一尊の成就法と親近行」は、成就法結行次第の願文で、ダライ・ラマ二世の根本頌とそれに対するギュトゥー寺の註釈を講読しているところです。来期は、「ヤマーンタカ」の生起次第と究竟次第を順に概観する箇所へ入ります。そこだけでも、一つの独立した学習課題として成立する内容なので、これまたすごく楽しみですね ^^

来期の定期講習は、10月19日(月)から順次スタートします。前の記事にも書いたとおり、教室の講義に出席、オンライン受講、通信受講という3つの選択肢を、その都度自由に選べるようになります。来期もまた、是非よろしくお願いします!

9月18日(金) オンライン講義

しばらくブログの更新をサボってしまいましたが、そのあいだ遊んでいたほけではありません(笑)
定期講習の教室での講義が再開されたので、それに合わせて、オンライン講義の試行も始めてみました。教室に於ける講義を、Zoomで配信する方式です。
先週末から、自分の担当する「五次第明灯」と「ヤマーンタカ 一尊成就法と親近行」を手始めに行なってみましたが、単純なやり方でも意外と好結果なので、今後科目を広げて試していこうと思います。

そうしたテストの結果にもよりますが、方向性としては、①教室への出席、②オンライン受講、③通信受講(録音データのダウンロード、CD、USBメモリなど)という3つの選択肢を用意し、受講者の方々が、各自のそのときどきの体調、御都合などに応じて自由に選べるように出来ればと考えています。
今のような困難な時期、会員・受講者の皆様も、それぞれに難しい状況がおありかと思います。そういう中でも、出来る限り仏教の学修を続けていくならば、非常に大きな功徳を積むことになります。ですから、ポタラ・カレッジとしては、なるべく受講者本位の態勢を整え、一人ひとりの状況に合った学習の機会を提供していければと考えております。

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